マクラーレン・ホンダは、F1ハンガリーGPの決勝で、フェルナンド・アロンソが6位入賞、ストフェル・バンドーンが10位入賞と今シーズンで最もいいパフォーマンスを披露し、ワールドチャンピオンシップポイント9点を獲得した。フェルナンド・アロンソは、見事なレースを展開し、6位で完走。2コーナーでカルロス・サインツを外側から果敢にオーバーテイクし、プライムタイヤで臨んだ第2スティントではすばらしい走りを披露。そして、69周目にはレースの最速ラップタイムを叩き出すというパフォーマンスを見せた。
一方、ストフェル・バンドーンは、彼にとって今季ベストとなる10位で完走した。バンドーンは、ダニエル・リカルドの後方で、1周目のアクシデントに少し引っかかったものの、すぐにばん回し、トップ10圏内を走行。レース終盤には、フォース・インディアのエステバン・オコンと9番手の座をかけてバトルを展開し、オコンのわずか0.6秒あとにフィニッシュラインをまたいだ。フェルナンド・アロンソ (6位)「今日は7位か8位を目標にしていた。リカルドがリタイアしたことで6位に入賞できたが、この結果は週末を通して懸命に努力した結果だと思っている。いいかたちでフリー走行を実施し、力強い予選を経て、完ぺきなレースができた。シーズン中に、僕たちが競争力のあるパフォーマンスを披露できる可能性のあるレースは3回から4回ある。なので、それらのチャンスを最大限に利用し、自分たちのポテンシャルを十分に活かす必要があるが、今週末はまさにそれができたと思う。(今後グランプリが開催される)スパやモンツァは、僕たちにとっては難しいレースになる。ただ、まずは今日の結果をともに喜び、難しいレースについてはそのときがきたら考えたいと思う。サインツとのバトルは接戦だった。サインツと僕は、スタートとセーフティカー導入後の再スタートの際に、近いポジションにいた。同じタイミングでピットインし、一緒にコースに復帰したが、新品タイヤで本当にプッシュできるのは2周だけだということは分かっていた。最初の2周以降にプッシュするのは不可能だと思っていたので、神風のような動きでサインツにプレッシャーをかけ、最終的にはオーバーテイクに成功した。また、レース終盤で最速ラップタイムを出せたことには驚いた。プレゼントをもらったような気分だが、遠慮なくいただくよ! 今日は間違いなくいいレースだったし、笑顔で夏休みを迎えよう」ストフェル・バンドーン (10位)「僕にとっては、かなりポジティブな週末だった。ここでは競争力があると予想して現地入りし、実際に週末を通してトップ10圏内で走行することができた。このようなチャンスが訪れたときには、それをガッチリとつかまなければならない。そして、今日はそれができた。ピットストップの前には、後方のマシンとのタイム差を見ながら、オーバーカットを試みた。ただ、ピットストップの際に小さなミスをし、タイヤをロックアップさせてしまったので、予定よりも長いピットストップになり、結果的にはうまくいかなかった。それでも、今日のレースでのペースは今後への自信になった。ここではフォース・インディアよりも僕たちの方が確実に速かったものの、オーバーテイクをするのは非常に困難だった。でも最終的にはポイントを獲得できたので、チームにとってはいい週末だった」エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)「今日は、これまで難しいシーズンを強いられているにもかかわらず、我々は心の中で情熱を持ったレーシングチームのままであることを再認識できたいい一日だった。9ポイントを獲得し、レースで最速ラップタイムを出せたことは、チャンスさえあれば、我々はそれを活かす準備ができていることを示せたと思う。今日のフェルナンドの走りは、本当に見事だとしか言いようがない。彼はコース上で常に攻めていたし、ピットストップをしてプライムタイヤに履き替えてからは、最後までペースを十分にコントロールすることができた。カルロス・サインツに対するオーバーテイクは、本当にすばらしかったです。タイヤがまだ新品なうちにオーバーテイクしなければならないことは分かっていて、それをやってのけた。そこから、フェルナンドはスピードに乗って、速いラップを何周にもわたって走行し、最終的に残り2周の時点でレースの最速ラップタイムを叩き出した。フェルナンドの今日の走りは、彼がなぜ並外れた才能を持つレーサーなのかを物語っていた。一方、ストフェルも非常に力強いレースをした。スタートではリカルドがストフェルのすぐ前でスローダウンしたため、気を抜く暇もなく、最後まで力強い走りをした。次回の母国グランプリを迎える前に、1ポイントを獲得できたことをストフェルは喜んでいるだろう。これは、ストフェルと彼のチームのひたむきな努力と懸命な取り組みのおかげだ。これから夏休みとシーズン後半に向けて準備をする中で、今日の結果は、我々が目的と決意を持って取り組んでいることをさらに実感できる機会になった」長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)「今日は今季初の2台そろってのポイント獲得となり、マクラーレン・ホンダにとってポジティブな一日になりました。昨日の予選結果から2台ともにポイント獲得は可能だと思っていましたが、酷暑の中でのレースとなり、簡単なコンディションではありませんでした。そんな中で、フェルナンドもストフェルも高い集中力を維持しながら、果敢にプッシュを続け、チームにポイントをもたらしてくれました。またフェルナンドのオーバーテイクにつながったチームのピット戦略もすばらしかったと思います。今日の結果については、チームがここまで積み上げてきた努力の結果ですし、懸命の努力を続けてくれているチームのメンバー全員に感謝したいと思います。いいかたちでサマーブレイクを迎えることになりますが、当然のことながら前半戦の結果については満足していません。我々の目標としている場所に少しでも近づけるよう、引き続き全力で開発を続けていきます。このいい流れを保ちながら、後半戦の開幕を告げるベルギーでも、いいレースを披露できればと思います」関連:【動画】 F1ハンガリーGP 決勝 ダイジェスト