マクラーレンのテストドライバーであるペドロ・デ・ラ・ロサは、いくつかのF1チームが苦戦しているのはKERSが理由ではないと主張する。2009年のレギュレーションではKERSの使用は義務付けられておらず、開幕から2戦で自主的に導入したのは、わずか7台であった。一方でKERSを搭載していないブルランGP、トヨタ、ウィリアムズなどのチームは、好調な滑りだしをみせている。
KERSを搭載したフェラーリのキミ・ライコネンは、マレーシアGPのレース週末を通してKERSの問題に苦戦。ルノーのフェルナンド・アロンソは、重量のあるKERSの使用について、中国GP前に再検討すべきだと語っている。しかしデ・ラ・ロサは、チームが苦戦しているのは、別に問題があると語る。「僕たちの問題は他の分野にある。KERSではない」「もしKERSを外して、すぐに速くなるなら、とっくにやっているはずだ」「商業的な理由で使っているわけではない。KERSを使えば速くなるんだ。マシンのバランスもKERSを搭載していないときとほとんど同じだ。そこが問題にはなっていない」KERSのアドバンテージという点では、マレーシアで9番グリッドだったアロンソが、スタートで3番手までポジションをあげたのも事実だ。ウィリアムズは、独自のフライホイール式KERSの開発を続けており、デクニカル・ディレクターのサム・マイケルは「できるだけ早い段階で搭載したい」と語っている。関連:KERS