マカオGP(フォーミュラ・リージョナル世界大会)は、荒れる展開のなかでテオフィル・ナエル(KCMGピナクル・モータースポーツ)がチームメイトのマリ・ボヤを終盤に逆転し、わずか0.250秒差で栄冠を掴んだ。4度のセーフティカーが入る波乱の15周レースは、最後のリスタートでの一撃で勝負が決まった。
スレイター、完璧な流れからクラッシュで脱落ポールポジションのフレディ・スレイター(プレマ)は、スタート直後こそボヤに先行されるも圧倒的なペースを発揮し、再開後には3秒差の独走を築いた。しかし9周目のセーフティカー導入で流れが一変。11周目のリスタートではボヤが鋭く仕掛け、応戦したスレイターは最終コーナーでスライドしウォールにヒット。優勝候補がまさかの脱落となった。ナエル、3度の仕掛け失敗から“完璧な一撃”で優勝ナエルは序盤、エンツォ・デリニー(R-ace GP)との激しい2番手争いに阻まれ、何度もリスボアで仕掛けながら成功させられなかった。しかし終盤の12周目、セーフティカー後の再開直後に劇的なチャンスが訪れる。ボヤが後方のデリニーを警戒しラインを変えた一瞬を逃さず、ナエルはアウト側から2台を一気に抜き去りトップへ浮上。直後にクラッシュが続き、レースはそのままセーフティカー先導のままチェッカー。ナエルがほぼ“1周未満”のリードで世界一を掴んだ。波乱続出、中団は順位激変PHMレーシングのマッティア・コルナーギが4位、ARTグランプリの加藤大翔とエヴァン・ジルテールが5位・6位に続いた。中団ではクラッシュと接触が相次ぎ、レースごとに順位が大きく入れ替わる展開となった。レース結果(15周・公式リザルト全文)1 テオフィル・ナエル(KCMGピナクル・モータースポーツ) 43m01.466s2 マリ・ボヤ(KCMGピナクル・モータースポーツ) +0.250s3 エンツォ・デリニー(R-ace GP) +1.130s4 マッティア・コルナーギ(PHMレーシング) +1.978s5 加藤大翔(ARTグランプリ) +2.322s6 エヴァン・ジルテール(ARTグランプリ) +2.571s7 ノア・ストロムステッド(トライデント) +3.606s8 マッテオ・デ・パーロ(R-ace GP) +4.140s9 佐野雄城(TOM’S) +4.720s10 ホセ・ガルフィアス(PHMレーシング) +5.021s11 りー海夏澄(ARTグランプリ) +5.234s12 山越陽悠(Evans GP) +5.538s13 ティメク・クハルチク(ファン・アメルスフォールト・レーシング) +5.837s14 ジェームズ・エゴジ(サンテロック・レーシング) +5.988s15 エンツォ・イェー(PHMレーシング) +6.686s16 タサナポール・イントラプバサク(トライデント) +7.689s17 オーウェン・タンガベロウ(サンテロック・レーシング) +7.971s18 チャーリー・ウルツ(Evans GP) +8.279s19 中村仁(R-ace GP) +1 lap20 ラシード・アル・ダヘリ(プレマ) +2 laps21 チャールズ・レオン(プレマ) +2 laps22 鈴木斗輝哉(TOM’S) +2 lapsRet フレディ・スレイター(プレマ)Ret オスカー・ウルツ(Evans GP)Ret 梅垣清(ファン・アメルスフォールト・レーシング)Ret レザ・スワルサトゥン(トライデント)Ret ニューマン・チー(ファン・アメルスフォールト・レーシング)日本人6名の戦い:加藤大翔がトップの5位、佐野雄城は9位完走今年のマカオGPには日本人6名が参戦し、そのなかで最も上位に入ったのは ARTグランプリの加藤大翔(5位) だった。序盤の混乱を回避しながら着実に順位を維持し、トップ5での完走という安定したレース運びを見せた。TOM’S の 佐野雄城 は激しい中団争いの中で隙を突き、9位完走。ARTグランプリの りー海夏澄 は終盤のリスタートを生き残り 11位 に入り、Evans GP の 山越陽悠 も安定した走りで 12位 に入った。R-ace GP の 中村仁 は接触により遅れながらも走行を続け 19位(1周遅れ)。TOM’S の 鈴木斗輝哉 は2周遅れながら完走し 22位 となった。一方、ファン・アメルスフォールト・レーシングの 梅垣清 はアクシデントによりリタイアした。
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