リアム・ローソンはアゼルバイジャンGPで際立った走りを見せ、予選3番手からスタートしてキャリア最高位となる5位でフィニッシュした。この結果はニュージーランド人として歴史的な快挙となり、これまでの自己最高位だったオーストリアでの6位を上回るだけでなく、キウイドライバーとしても1976年スペインGPでクリス・エイモンが5位を獲得して以来の最高順位となった。
序盤は力強く走行し、ピットストップまでは3番手を堅持。しかしピットアウト直後、キミ・アントネッリのアンダーカットに反応してコースへ復帰するも、21周目には一度は前に出たものの、22周目のメインストレートでDRSを使ったメルセデスに抜かれてしまった。アントネッリは最終的に4位でフィニッシュし、ローソンは後半戦で角田裕毅、ランド・ノリス、ルイス・ハミルトンとのバトルに加え、シャルル・ルクレールを長く抑えながら5位を守り抜いた。「エネルギーを使い切ってしまって、本当にフラストレーションが溜まった」とローソンはアントネッリとの攻防を振り返り、メディアに語った。「バーを見て、ストレートに入った時に途中で何も残っていないのが分かって、どうしようもなかった。だからそこから学んだよ」「次の集団が来たときには、絶対に同じことが起きないようにラップを通して常にエネルギーを確保していた。それは大きな学びになったね」「でも現実的に見れば、彼(アントネッリ)は僕の前で10秒ぐらい先に行ってしまった(実際には11.530秒差)。あと30周以上も抑え続けることなんて無理だったと思うし、後ろの集団を抑えるだけでも大変だった」「正直、表彰台に上がるスピードはなかったと思う。もちろんP3からスタートすれば、心のどこかでは可能性を信じてしまうけどね」「ピットストップでは全力を尽くして、キミに合わせて正しい判断をしたと思うけど、スピードが足りなかった。だからフラストレーションは残るけど、大局的に見れば5位というのは素晴らしい結果だし、これを今後につなげていきたい」前方の速いマシンには挑めなかったものの、ローソンは終盤の数周にわたり安定したペースと強固なディフェンスを見せ、今年レッドブルで彼の代わりに走っている角田裕毅を含む中団勢を抑えきった。「特に最後の10〜15周はかなり激しかったので、レースは報われるものに感じられた」とローソンは語った。「もちろんスタート位置を考えると少し残念ではあるけど、現実的に言えば今日、前の連中と戦えるスピードはなかった。それでも常に希望は持っていたんだけどね」今回の結果により、ローソンはドライバーズ選手権で13位に浮上。カルロス・サインツに1ポイント、ランス・ストロールに2ポイント差と迫る位置につけた。「5位という結果は僕たちにとって大きいし、特に選手権の状況を考えると価値がある」と彼は続けた。「チームのおかげで週末を通して良いマシンがあったので、ポイントを持ち帰ることができて満足している。全力を尽くしたよ!」さらにアイザック・ハジャーも10位に入り、レーシングブルズはダブル入賞を達成。これによりコンストラクターズ選手権でアストンマーティンを抜いて6位に浮上し、レッドブル系両チームの4人全員がポイントを獲得する形となった。