2025年F1ラスベガスGPのフリー走行2回目(FP2)は、ランド・ノリスがトップタイムを記録したものの、赤旗、強風、低温、路面のグリーン状態、そしてトラフィックが重なり、各チームが本格的なパフォーマンスを示すには不十分な難しいセッションとなった。 ミッドフィールドではレーシングブルズとウィリアムズが存在感を示し、フェラーリはシャルル・ルクレールがギアトラブルでストップ。勢力図は依然として混沌としている。
金曜のFP3と予選を前に、レッドブル、フェラーリ、メルセデス、マクラーレンの上位陣がどの方向へ仕上げてくるのか、勝負の行方はまだ深い霧の中だ。序盤:小雨の残る路面、各車が慎重にスタート開始直後は小雨の影響が残り、各車は出走を控える静かな立ち上がりとなった。先に動いたのはメルセデス勢とアルピーヌ勢。ピエール・ガスリー、フランコ・コラピント、ジョージ・ラッセルらがミディアムタイヤで走行を開始し、路面コンディションを探る。一方、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンは比較的早めに走行へ。1分36秒029でトップに浮上し、序盤の基準タイムを築く。マクラーレンは様子見の戦略:ノリスとピアストリがしばらくピット滞留FP1で苦戦したマクラーレンは慎重な姿勢を継続。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリは序盤ほとんど動かず、路面が整うのを待つアプローチを取った。ザク・ブラウンは“2種類のリアウイングを比較中”とし、FP3までに最終決定すると明言。ピアストリは細いリアウイングで挑んでおり、「方向性の収束は明日」と語られた。中盤:風と低温でロックアップ続出、ミッドフィールド勢が躍動気温が下がり、風が強まる中でロックアップが連発。■ オリバー・ベアマンが激しいフロントロック■ ランド・ノリスもターンで止まりきれずオフ■ シャルル・ルクレールもソフトのアウトラップで大きくロックこうした混乱の中、レーシングブルズのアイザック・ハジャーが2番手に浮上。 ライアム・ローソンもC5で好タイムを出し、レーシングブルズがウィリアムズと並んでミッドフィールド上位に食い込む展開となった。“タイムアタック合戦”のはずが風で乱れる:アントネッリが輝くソフトタイヤが投入され、いよいよ本格的なアタックフェーズへ。ここで光ったのが メルセデスのアントネッリ。1分33秒台に突入し、プロのジョリオン・パーマーも「後半戦で完全に流れを掴んでいる」と評価。ただし、同じ区間でノリスやラッセルがアタックを連続して中断。風向きが急変し、グリップが読めない状況だった。赤旗①:原因不明のストップ、ラッセルの紫セクターが無に20時40分頃、ラッセルが1セクターで紫、2セクターもベスト更新を見せる最中に赤旗。マシンには問題がなく、現場には「デブリの可能性」とだけ報じられ、詳細不明のまま中断。多くのドライバーがアタックをやり直すことになり、リズムを崩す大きなブレーキとなった。ノリスがトップ奪取:1分33秒602で暫定首位セッション再開後、ノリスが完璧な1周をまとめ1分33秒602でトップに浮上。アントネッリとの差はわずか0.029秒。ルクレールが3番手、ニコ・ヒュルケンベルグが4番手に食い込むなど、上位勢もようやくアタックが成立する。しかし依然として多くのドライバーが“本気のソフトアタック”を出せておらず、序列は依然混沌。赤旗②:ルクレールがギアトラブルでストップ、フェラーリに夜の作業残り数分、ルクレールがターン5でシフト不能に。「止めろ」と指示され、その場でマシンを駐車。これがそのままセッション終了へ。■ ギアボックス交換が濃厚■ ただし多くのチームがFP2後に交換作業を行うため、フェラーリとしては大きな痛手ではない可能性もマシンはローダーでピットへ運ばれ、フェラーリは深夜の作業に突入。FP2後の注目ポイント:勢力図はまだ“霧の中”・マクラーレンはFP1より改善も、リアウイング選択が未確定・レッドブル、フェラーリ、メルセデスは非常に拮抗・アントネッリの速さは本物レベル・ルクレールはギアトラブルで夜の作業へ・レーシングブルズとウィリアムズが明確にミッドフィールド上位そして最も気がかりなのは――オスカー・ピアストリだけが“半歩後ろ”。まだ本格アタックを出せていないため、明日が正念場になる。F1 ラスベガスGP フリー走行2回目 結果1.ランド・ノリス(マクラーレン) - 1分34秒8022.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) - 1分34秒9683.シャルル・ルクレール(フェラーリ) - 1分35秒0714.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー) - 1分35秒1095.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ) - 1分35秒1796.リアム・ローソン(レーシングブルズ) - 1分35秒2587.ジョージ・ラッセル(メルセデス) - 1分35秒2998.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ) - 1分35秒4509.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) - 1分35秒53410.ルイス・ハミルトン(フェラーリ) - 1分35秒53811.ランス・ストロール(アストンマーティン) - 1分35秒56112.ピエール・ガスリー(アルピーヌ) - 1分35秒58913.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ) - 1分35秒70914.オスカー・ピアストリ(マクラーレン) - 1分35秒74915.角田裕毅(レッドブル) - 1分35秒89416.フランコ・コラピント(アルピーヌ) - 1分35秒99017.オリバー・ベアマン(ハース) - 1分36秒12318.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) - 1分36秒17019.エステバン・オコン(ハース) - 1分36秒39820.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー) - 1分36秒758