ランド・ノリス(マクラーレン)は、優勝がかかった一戦でチームの戦略判断を悔やむ結果となった。決勝を4番手で終え、タイトル争いは最終戦アブダビの一騎打ちへともつれ込む。ノリスは週末の時点で24ポイントのリードを持っていたが、レース中盤のセーフティカー対応でチームが下した“ステイアウト”の判断が勝敗を分けた。
ノリスは2番手スタートからオープニングラップでマックス・フェルスタッペンに先行を許し、7周目のセーフティカー導入時に全車がピットへ向かう中、マクラーレンのみがピットに入らない戦略を選択。これにより強制的に2回の通常ピットを行うことになり、最終的にピアストリは2位、ノリスは4位どまりとなった。戦略判断が勝敗の分岐点にセーフティカーの原因は、ニコ・ヒュルケンベルグとピエール・ガスリーの接触により、ヒュルケンベルグがターン1のグラベルにストップしたことだった。ほぼ全車がピットインを選ぶ中、マクラーレンは2台をコース上に留める判断を下した。25周のスティント上限が課される特別ルールの影響で、マクラーレンの2台は必然的に不利な2ストップを強いられた。ノリスはレース後、この戦略判断について明確に不満を示した。「クルマの調子は良かったし、オスカーは2位でとても速かった。何もクルマに文句はない。ただ戦略だ。2台目のクルマになると常に少し不利になるけど、今日はそういう問題じゃなかった。僕たちはやるべきでないことをしてしまった。シンプルにそれだけだ」ミスからの挽回、そして4位フィニッシュノリスはレース終盤、キミ・アントネッリの小さなミスを突いて4番手まで挽回した。一方、本人も第2スティントでターン14の外側へはみ出す場面があったという。「ダメージがあったかどうか全く分からなかった。無線で調べてくれと頼んだんだけど、その後ハードタイヤでペースを上げるのに苦労した」と振り返った。タイトル争いは最終戦アブダビへこの結果、ドライバーズ選手権はノリスが依然として首位をキープするものの、差はフェルスタッペンに対して12ポイント、ピアストリに対して16ポイントまで縮まった。最終戦に向けた心境を問われたノリスは、淡々とした様子でこう答えた。「いい気分だよ。ベストな1日ではなかったけど、仕方がない。前を向くだけだ」タイトル決着の舞台は、アブダビの最終戦へ。トップ3が僅差で並ぶ歴史的な決戦が待ち受けている。