ランド・ノリス(マクラーレン)は、日曜のF1メキシコGPで圧勝を収めた後、観客からのブーイングを笑い飛ばした。メキシコシティの観客はレース週末を通してノリスに対して不満を示し、表彰式でもブーイングが起こったが、本人は意に介さなかったという。メキシコでは一部ファンの間で「マクラーレンがノリスにタイトルを“与えている”」という見方が広がっており、イタリアGPでのチームオーダーがその発端となっている。
モンツァでは、ピット作業で遅れたノリスの前に出たチームメイトのオスカー・ピアストリに対し、チームがポジションを譲るよう指示。結果としてノリスが2位、ピアストリが3位でフィニッシュし、物議を醸した。メキシコのジャーナリスト、カルロス・ハリフェ氏がレース後の記者会見でこの経緯を説明すると、ノリスは笑いながら答えた。「正直、なぜかわからない。でも人々には自分の好きなことをする権利がある。ブーイングもスポーツの一部だと思う」「僕はブーイングされると逆に笑ってしまうんだ。正直、それで僕の気分が悪くなることはない。むしろ少し面白いと思ってる」ハリフェ氏によると、地元誌『Fast Mag』の読者アンケートでは、多くのメキシコファンが「ノリスはモンツァで得た3ポイントを返すべき」と回答したという。「彼らがそう思うなら、それも自由だよ」とノリス。「僕たちはチームとして常に公平にやっているつもりだ。2年前のブダペストでも、僕が勝てたレースでオスカーに譲って、彼が勝つべきレースを勝たせた。今回はそれと同じだ」「3ポイントが欲しいなら、あげてもいい。でもモンツァでは僕が前にいるのが当然だった。シンプルな話さ」それでもノリスは、週末全体を通して最高のパフォーマンスを発揮したことに満足していると強調した。「もちろんブーイングは望まないよ。でも僕は自分のやるべきことに集中するだけだ」と締めくくった。タイトル争いはわずか1ポイント差にノリスのメキシコGP優勝は今季6勝目。これにより、ドライバーズ選手権ではチームメイトのピアストリを1ポイント差で上回り、再び首位に浮上した。残り4戦、マクラーレン勢による白熱のタイトル争いが続く。ブーイングの背景に“マクラーレン内格差”の印象今回のブーイングの背景には、マクラーレンがノリスを優遇しているというファンの不満がある。モンツァでのチームオーダーに加え、ここ数戦の戦略判断でもノリスに有利な場面が見られたことが、そうした見方を強めた。しかし、ノリス自身の成績は安定しており、今季6勝という結果はチーム内の「贔屓」ではなく、純粋な速さと安定感の証でもある。ピアストリとの僅差の争いが続く中、マクラーレンがどのように2人を公平に扱うかが、今後のシーズン最大の焦点となる。
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