元F1ワールドチャンピオンのミカ・ハッキネンは、F1ロシアGPで雨が降り始めたときにステイアウトするというランド・ノリスの“勇敢な決断”を責めるべきではないと語る。ランド・ノリスは、レースの大部分をリードし、ルイス・ハミルトンの追撃をかわしてF1初勝利にむけて戦っていたが、ソチに降り注いだ終盤の雨が状況を一変させた。
サーキットは、一部は滑りやすく、他の部分は乾いているように見えた。ランド・ノリスは、チームからインターミディエイトタイヤが必要かどうかを判断するよう求められ、ステイアウトすることを選んだ。対照的に、メルセデスはルイス・ハミルトンに決断を委ねることはせず、ピットに入れた。結果的にルイス・ハミルトンは、マシンのコントロールに苦労していたランド・ノリスを追い抜いて通算100勝目のチェッカーを受けた。ノリスは自分のミスに気付いてインターミディエイトタイヤに交換したが、表彰台を獲得するには時すでに遅く、7位でレースを終えた。F1のマネージングディレクターを務めるロス・ブラウンと元F1ドライバーで専門家に転向したジョリオン・パーマーは、メルセデスがルイス・ハミルトンに対して行ったように、マクラーレンはチームとして意思決定に対してより多くの責任を負うべきだったと語った。しかし、2度のF1ワールドチャンピオンであるミカ・ハッキネンは、コース上のフィーリングを実際に体験しているドライバーであり、判断する理想的な立場にいるのはドライバーだと感じている。「雨が降り始めたときにリードを維持しようと決心した彼を誰も責めるべきではない」とミカ・ハッキネンは Unibet のコラムで述べた。「批判するのは簡単だが、F1で初勝利を収めようとすると、難しい決断に直面することがよくある。今回のケースでは、ピットインするという決断は、続行して勝利を収めよういう決断よりも難しいと感じた」「ランドは、特にウェットでのマシンコントロールに優れているし、彼がどれだけ自信を持っているか、どれだけリスクを冒す覚悟ができているかにかかっていた」「チームが何を考えているかは問題ではない。自分がマシンがどれだけグリップしているのかを知っているのはドライバーだ。ステアリングホイールを握る手、ペダルを踏む足、ズボンのシートを通してマシンを感じている」「グリップが無くなって初めて、トラックのどの部分がまだ十分に乾いているかがわかる。ランドは、特にハミルトンがインターミディエイトタイヤに交換するためにピットストップを行ったとき、マシンをフィニッシュできるかもしれないと感じた」「しかし、雨が激しくなった瞬間、ランドのチャンスはなくなった。普通の靴で氷の上を歩こうとするようなものだ!」「それは勇敢なギャンブルであり、彼、ダニエル(リカルド)、マクラーレンチームが4位と7位でショーを終えたことにどれだけ失望いていたかは、シーズンのこの段階で彼らの野心がどれほど高いかを示している」