エイドリアン・ニューウェイは、アストンマーティンのランス・ストロールに向けられている批判に異議を唱え、「F1で不当に悪い評価を受けている」と擁護した。2026年F1レギュレーション刷新を前に、チームがタイトル争いの有力候補に挙げられる中での発言となった。元F1ドライバーのクリスチャン・ダナーが、ストロールの姿勢や「無関心さ」を問題視する一方で、ニューウェイは過去のチームメイトとの比較を挙げ、ストロールの実力は外部の評価以上だと強調している。
アストンマーティンのランス・ストロールは、来季、レース勝利、さらにはタイトル争いが可能なマシンに乗る立場に身を置く可能性がある。しかし、元F1ドライバーのクリスチャン・ダナーによれば、その「無関心」とも取れる姿勢が、彼自身の足を引っ張ることになりかねないという。「ランス・ストロールには、自分のやっていることへの喜びの火花がまったくない」今季はランキング7位にとどまったものの、アストンマーティンは2026年F1タイトル争いの有力候補になると広く見られている。マシンは、直近5年で4度のドライバーズタイトルを獲得しているホンダのパワーユニットを搭載し、さらに設計を手がけるのはデザイン界の伝説、エイドリアン・ニューウェイだ。ニューウェイは、ドライバーズタイトル14回、コンストラクターズタイトル12回、計26のタイトルを獲得してきた設計者であり、アクティブエアロを採用し、従来より軽量化された2026年F1マシンとともに、アストンマーティンを新時代へ導こうとしている。ホンダが近年タイトルを量産し、フェルナンド・アロンソが2度の世界王者であり、さらにニューウェイが率いる体制を考えれば、弱点はどこにあるのかという疑問が浮かぶ。ダナーは、書面上ではその弱点はアロンソのチームメイトであるストロールだと指摘する。ストロールはF1で193戦に出走し、3度の表彰台を獲得しているものの、いまだグランプリ優勝はない。ダナーは、ストロールにとってF1そのものに対する「喜び」が本当にあるのかを疑問視している。「私は彼をそこまで攻撃して、F1にいるべきではないと言うつもりはない」とダナーはsport.deに対し、2025年F1シーズンの結果について語った。「だが、ランス・ストロールにまったく欠けているのは、自分がやっていることに対する喜びの火花だ。そのせいで、彼はいつも不機嫌で、乗り気がなく、くすんだ印象を与える。それが本当に腹立たしい」「この無関心さは、完全に場違いだ」さらに元ドライバーはこう続けた。「普通の環境であれば、彼をチームから追い出す理由は十分にあっただろう。だが、アストンマーティンは普通のチーム環境ではない」一方で、アストンマーティンの新たなデザイン責任者であるニューウェイは、ストロールは外から見える以上の価値をチームにもたらしていると主張する。「ランスは、不当に悪い評価を受けていると思う」とニューウェイは語った。「これまで彼が戦ってきたチームメイト、チェコ(セルジオ・ペレス)、ニコ・ヒュルケンベルグ、セバスチャン、そして今のフェルナンドと比較しても、彼は常にすぐ近くにいた」「F1にたどり着くドライバーは誰でも明らかに非常に優れているが、ランスは人々が思っている以上にずっと良いドライバーだと思う」ストロールは2025年F1シーズンを総合16位、33ポイントで終え、アロンソは56ポイントを獲得した。