フェルナンド・アロンソに笑顔が戻る一方で、アストンマーティンのチームメイトであるランス・ストロールはどんよりとした気分のまま、F1における将来に暗雲が立ち込めている。チームオーナーである大富豪ローレンス・ストロールの息子であるストロールは、手首のケガから復帰し、先週末の母国カナダGPに出場したが、予選は惨憺たる18番手に終わった。
対照的にアロンソは、今季なかなかポイントを獲得できずにいたものの、ここ最近の好調で6番手につけ、Q3進出とポイント圏内フィニッシュが「常態化」しつつある。「今ではポイント圏にいるのが習慣みたいになってるけど、それは予選が良いからなんだ」とアロンソは語る。「グリッド6番手じゃなかったら、ポイントなんて取れてなかったよ。レースではすごく速いクルマがたくさんいたし――ウィリアムズ、ハース、それから意外にもエステバン(オコン)が上位にいて、あと(ニコ)ヒュルケンベルグもいたね。彼は突然前で戦ってた」「12番手や13番手スタートだったら、ポイントは取れなかったと思う」実際、ストロールは最下位でレースを終えた。このモントリオールでの悲惨な結果に追い打ちをかけるように、メルセデスの好調なジョージ・ラッセルが2026年にアストンマーティンへ移籍するという新たな憶測も浮上している。ラッセルは来季のメルセデスとの契約をまだ提示されておらず、一方でフェラーリのシャルル・ルクレールが“銀の矢”へのまさかの移籍候補として突然浮上しているという。「他の誰とも話していないし、興味を示してきたチームには、僕の意向はメルセデスに残ることだとはっきり伝えている」と、カナダGPでポールポジションを獲得し、優勝したラッセルは断言した。一方で、バルセロナでのガレージ内での癇癪が原因で手首を負傷したという噂もあるストロールは、モントリオールでも気分が改善された様子はなかった。「遅いんだ」と彼は地元紙『Le Journal de Montreal』に語った。「そして、それはオーストリアでも変わらないと思う。クルマの特性は決して改善されないんだ」「僕のドライビングを制限している問題はずっと変わらない。良くなることはないと思う」とストロールは続けた。「たぶん、これからもずっとこんな感じなんだろうね」父親がいよいよストロールのシートを、より競争力のあるドライバーのために明け渡さなければならないという噂が再燃するなか、ストロール自身も、楽観的なアロンソとのギャップを認めている。「クルマの変化なんて特に感じていない」とストロールは言う。「フェルナンドは結果を出してるから何か感じてるのかもしれないけど」「僕にはわからない。ただ今日は本当に遅かったんだ」と彼は日曜のレース後に付け加えた。
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