桜井孝太郎は、9月2〜4日にイギリス、ロッキンガム・サーキットで開催されたイギリスF3選手権(第22〜24戦)で3戦2勝を挙げ、今シーズン11勝目を達成。英国F3史上最年少ルーキーチャンピオンに王手をかけた。再びイギリス本土へと舞台を移したロッキンガム・サーキットでの戦いは、波乱の幕開けとなった。イギリスのサーキットの中で唯一、オーバル・コースとロードコースの組み合わせで構成される高速サーキットのロッキンガム、第22戦の予選でポールポジションを獲得したのは、ハイテック・レーシングのチームメイトであるピエトロ・フ...
ルーキークラスポールポジションの桜井孝太郎は、スタート直後の第1コーナーで発生したマルチクラッシュに巻き込まれ、残念ながらリタイアとなってしまった。しかしレースはチームメイトのピエトロが見事なポール・ツー・フィニッシュを決め、ハイテック・レーシングの士気を高めてくれた。日曜日に開催された第23戦は激しい雨の中での開催となった。ルーキークラスのポールポジションは、前日の第22戦で優勝したイタリアのルカ・オルランディ。桜井孝太郎は、最後尾からのスタートだったが、1周目にうまく混乱をかわしてポジションをアップし、見事、ヘヤピンコーナーでルカの前に出ることに成功。そして20分のレースを巧みに抑えきり、今季10勝目のチェッカーを受けた。第24戦は、ウェット路面ながら天候はドライと、微妙なコンディションでのレースとなった。全車ウェットタイヤを装着してのスタートで、見事なスタートを見せてトップを奪ったのはケビン・マグヌッセン。ウェット路面を得意とする桜井孝太郎は慎重に1周目を終えると、次第にポジションをアップしてチャンピオンクラスのマシンと激しいバトルを展開。ライバルのヘレキマを抜き去り、トップ集団とほぼ同等のラップタイムで走行を重ねてチェッカー。見事今シーズン11勝目を挙げ、同時にF3史上最年少ルーキークラスチャンピオンに王手をかけた。今回のロッキンガム戦で、桜井孝太郎は獲得ポイントを300点まで伸ばし、2位以下を大きく引き離した。この結果、次戦ドニントンパークでのレース結果次第では、最終戦を待たずして、栄えあるイギリスF3権60年の歴史の中で、ルーキークラス史上最年少となる17歳でのチャンピオンに輝くこととなる。桜井孝太郎「ここで2勝できて、本当に嬉しいです。序盤は水しぶきで視界が真っ白! でも中盤から終盤にかけては水が一気にはけてきて、逆にズルズルに滑る難しいコンディションでした。6速アクセル全開のオーバルでは、マシンが驚くほどに暴れるズルズルのコンディションでしたが、なにより雨になったらチャンピオンクラスとほぼ同タイムでラップ出来たことが、本当に自分にとって自信になりました。レース1のアクシデントは残念でしたが、でもすぐに気持ちを切り換えることができたからこそ、日曜日の難しいレースで良いレースができたのだと思います。数日のオフを日本で過ごし、日本からイギリスに戻ってからの2週間、本当にずっとチームと行動を共にしてきたし、ほぼ毎日サーキットを走って特訓してきたので、今日はその成果を出せたことが嬉しいです。次戦でチャンピオンを決めます!」
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