佐藤公哉は、GP2シリーズ第10大会で7位入賞を果たし、GP2初ポイントを挙げた。初開催となるF1ロシアGPのサポートレースとして10月10〜12日、ロシア・ソチのソチオートドロームでGP2第10大会が26台の参加によって開催された。カンポス・レーシングの佐藤公哉は10日の練習走行で6番手のタイムを記録し、同日の予選でも7番手のタイムを記録して好調な滑り出しを見せた。
11日の決勝レース1(28周、最大60分間)、佐藤公哉は良いスタートを切って6番手を争いながらターン2へ進入。しかし、ここで数台の後続車両が大胆にもコースをショートカットしながら佐藤公哉を追い抜いた。突然、前方に現れたこれらの車両に邪魔される形で11番手へ後退。13番手まで順位を下げた6周終了時点でピットストップ、タイヤ交換義務を消化した。そして再びコースへ復帰したところで、ライバルのひとりが電気系トラブルによりコース上にストップしたためにセーフティーカー導入、これが結果的に佐藤公哉に災いをもたらした。セーフティカー導入中の最終コーナーで後続車両の追突に遭ってスピン、19番手まで後退してしまった。それでも最後まであきらめずに力走した結果、13位でチェッカードフラッグを受けた。12日の決勝レース2(21周、最大45分間)、佐藤公哉はまずまずのスタートを見せ、13番手の順位をキープしてレース序盤を戦い始めた。ペースの遅い先行車両2台を抜きあぐねる中、前方の競り合いで生じた混乱のスキを突いて13周目には10番手へ浮上。9番手のドライバーを抜いた直後には、背後で事故が発生してセーフティカー導入、そのリスタートをしっかりと決めた佐藤公哉は7番手へと順位を上げた。そして最終ラップに自己ベストラップタイムを記録、今季GP2チャンピオンの追撃を振り切り7位入賞、GP2初のポイント(2点)を獲得した。佐藤公哉「初めて走ったソチ・オートドロムは、思ったよりも高速コースで、フィジカルへの負担はシルバーストンに次ぐくらいだと感じました。クルマはハンガロリンクほどではありませんが、練習走行の段階からいつもよりもグリップがありました。予選1回目のタイムアタックでは、前のクルマがブレーキテストしたのでこちらも急ブレーキを踏まざるを得ず、タイヤにフラットスポットを作ってしまい満足な走りができませんでした。予選2回目のタイムアタックはコーナーでオーバーシュートしてしまい、次のコーナーへ切り返しが遅れるというミスを冒しました。決して満足の行く予選ではありませんでした」「これまでの苦労が嘘のように、決勝レース1はスタートが良かった。でも、6番手を争いながら迎えたターン2では、後ろのクルマが何台もコーナーをショートカットしてターン3へ復帰しました。あれでひとりしかペナルティが科されないなんておかしい。セーフティカー導入のタイミングは、僕にとって良かったのか悪かったのかは微妙ですが、少なくともセーフティカー中に後ろのクルマに追突されてスピン、順位を大きく落としたのは致命的でした。なぜ、彼にペナルティが科されないのか僕には分かりません。このレース1、僕のペースはかなり良かったし、シングルフィニッシュは確実だっただけに悔しくて仕方ない。GP2ドライバーの多くは、当たっても仕方ないという感じで抜いてくるし、ルール違反もとがめられなければ儲けモノという走りをしてくる。そうしたドライバーには、きちんとペナルティを科さないといけないと思います。いまのGP2は自動車レースではありません」「ずっと競り合い続けていたので、決勝レース2の21周は短く感じられました。レース前から、スタートで出遅れずアクシデントに巻き込まれなければ、トップ10には入れると思っていました。ようやくエンジニアやメカニックに喜んでもらえる結果を残せてホッとしています。今回はクルマの調子も悪くなく、チームの雰囲気も良かった。この状態を維持して最終大会を迎えたいですね」