ケビン・マグヌッセンは、2023年F1第15戦イタリアGPを18位でフィニッシュ。ハースF1チームは、チーム史上最強の状態にあるにも関わらず、今シーズン最も弱いマシンを提供していると感じているという「パラドックス」を経験していると認める。VF-23のステアリングを握ったマグヌッセンはまたも惨めな週末を過ごし、19番グリッドからスタートし、アルファタウリの角田裕毅とアルピーヌのエステバン・オコンのリタイアを除いて、完走した18台中最下位でフィニッシュした。
チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグが彼の前にいたが、2人はレッドブルのマックス・フェルスタッペンからラップダウンされてレースを終えた唯一のドライバーだった。マグヌッセンはロングランを狙ってハードタイヤでスタートしたが、13周目にピットイン。第1スティントでの苦戦を受け、フロントウイングのフラップ角度の調整も行われた。その段階ですでに不吉な前兆であり、2回目のピットストップが彼の悲惨さをさらに悪化させた。マグヌッセンは、ハードコンパウンドでのスタートは、何か違うことを試すためのサイコロの一振りだったとしたが 「長く走ることが可能だったはずだけど、グリップがまったくなかったし、マシンのバランスも悪かったので、チャンスはなかった」と語った。「フロントウイングを外すことさえできず、フラップを十分に下げることもできなかった。ひどい、本当にひどい状態だった!」「最初のハードで最後まで走って、遅くにセーフティカーが入るのを待つか、メルボルンで(アレックス・)アルボンがやった(残り1周で唯一のピットストップを行う)ようなことをしようと話していた。でもチャンスはまったくなかった」14レースでわずか2ポイントしか獲得していないマグヌッセンは、アップデートが予定されているものの、残り8レースでマシンにさらなる改善がなければ、F1で2番目に悪いシーズンとなる見通しだ。キャリアの中で最もフラストレーションのたまる時期のひとつかと尋ねられたマグヌッセンは「最も弱かった時期のひとつのように思えるのは確かだ」と答えた。「チームはこれまでよりも強い場所にいると信じているけれど、これまでで最も弱いマシンの1台を持っているというのはとにっかうパラドックスだ」「チームの土台がしっかりしていれば、もっといいレースができるはずだし、もっと良くなることができると思う。本当に忍耐のゲームだ。今持っているもので我慢して、より、良いものを待つということなんだ」「作業はバックグラウンドで進められているし、それらのパーツをクルマに搭載できるまで我慢するしかない」「結局のところ、僕たちにはやるべき仕事があり、それらのパーツを入手するまで努力する必要がある」「現時点で自分たちが持っているものについて泣くことはできない。とにかく自分たちが持っているものに取り組み、それがどれほど困難に見えても、常にそこから何かを得ようと努めなければならない」30歳のマグヌッセンは、レースウイークの合間を縫って、マシンの弱点を克服するためにチームにできる限りの協力をすることを約束した。「その場にいてサポートし、必要なフィードバックを与えると同時に、彼らを信頼し、彼らの仕事に専念できる環境を与えることが重要なんだ」とマグヌッセンは語った。ケビン・マグヌッセン(ハースF1チーム)「ペースがまったく上がらず、タイヤもバラバラで、バランスも悪かった。おそらく最悪のレースだった。僕たちは急な坂を登らなければならない。FP3では7番手だったのに、今日は大差で最下位だったので、本当に混乱している。まったくペースがなかった。この状況を好転させる必要がある」