小林可夢偉が、今シーズン初完走を果たしたスペインGPのレースを振り返った。「おかげさまでようやく完走できました」と小林可夢偉は語る。予選Q3に進出し、10番グリッドからレースをスタートした小林可夢偉。しかし、オープニングラップでロバート・クビサ(ルノー)に押し出され、順位を落としてしまう。
「スタートは普通に決めて、ロズベルグが押し出されたのでそこで抜いて、今度は2コーナーでクビサが押し出されたので、僕がアウト側から前に出て、クルマ半分以上前に出ていたから大丈夫やと思ったんです。充分なスペースをあけていたんですけど、右リヤを当てられてはじき飛ばされました。あれでコース上にいたのが不思議なぐらい結構な距離を飛んだんですけど、まあ、こらえるのも得意技なんでね(笑)。サイドポンツーンが結構壊れたけど、そんなに影響はなかったですね」「クビサがチェッカーを受けた後、パルクフェルメで僕のとこに来たんで、『なんであんなことすんねん?』と聞いたら、『アンダーステアが出た』と言ってました。まあレースなんで、何があるか分かりませんからしょうがないかなと思います」「ただ、あの1周目のアクシデントがなければ、たぶん7位くらいに行けたとは思うので、それは残念ですけどね。オプションの中古タイヤでスタートしたんですけど、ペースはまわりと比べてもそれほど悪くはなかった。もうちょっと早めにピットインをしてタイヤを履き替えていればよかったかもしれないんですけど、僕としては初めての状況だったので、次回以降に活かせればいいかなと思います」「プライムに履き替えてからのペースは悪くなかったです。前に誰もいなくてひとりで走れていれば、もうちょっといけたと思います。タイヤ自体についても大体分かったんですけど、今回は前にクルマにいたから完璧にコントロール出来る状況じゃなかった。タイヤはひとりで走っている時にコントロールするものなんで。バルセロナはオーバーテイクがすごく難しいコースなので簡単に抜こうと思ってもできないし、周回遅れを使ってみたりもしたんですけどダメでした。だから前がミスをするのを待つしかないし、その時のために絶対についていってやろうと、結構タイヤに無理をかけて走っていたのもあります。ただこれもレースの流れですからね」「もうちょっと前からスタートできれば、ひとりになる状況も増えると思うし、そうすればペースでいけるということも分かったので、安心していんじゃないかなと思います」ザウバーは、新しいテクニカルディレクターとしてジェームス・キーを起用。チームないの組織を含めて改革を行っている。「スペインに来る前にスイスでミーティングをしたんですけど、そこで僕が思っている方向とチームが思っている方向が同じだったんですね。クルマをどうしたいとか、まあそれは説明するときりがないほどいろんな要素についてなんですけど、実際にここに来て走ってみて、自分とクルマの距離が近づいてきてるなと実感しました」「それは予選でもそうだし、開幕4戦の結果からはびっくりするほどよくなってますから。いきなり勝つクルマなんてのは無理だし、これがF1ですから。全体的にはいい流れですよ。まだまだやらなければいけない部分はあるし、それは僕だけじゃなくてチームもそう思ってる。僕ももっともっとクルマのことを理解して、この勢いのままいければ、後半はかなり面白いレースになると思います」