F1日本グランプリは2026年も3月末に開催されることが正式に決定した。FIAとFOMが共同で発表した2026年のF1世界選手権カレンダーによれば、F1日本GPは3月27日~29日に鈴鹿サーキットで第3戦として開催される。2024年から続く春開催はこれで3年連続。かつて秋の終盤戦として知られていた日本GPは、今や桜咲く春の鈴鹿として定着しつつある。情緒あふれる景観に加え、技術・戦略・ロジスティクスの要衝としての役割も増しており、F1カレンダーの中でも特別な意味を持つ一戦になりつつある。
桜の鈴鹿に、F1は春の訪れとともに戻ってくる3月末の鈴鹿サーキットは、ちょうど桜が満開を迎える時期。コース脇に広がる桜並木や舞い散る花びらの中をF1マシンが駆け抜ける光景は、世界中のファンやメディアに鮮烈な印象を与える。F1日本GPがこの時期に行われるようになったことで、「春のF1」「桜とF1」という新たな文化的結びつきが生まれつつある。ロジスティクス合理化と春開催の戦略性春開催への移行には、美しい季節感だけでなく、F1カレンダー全体の地域ベースでの輸送効率最適化という意図もある。2026年は、オーストラリアGP(3月6~8日)、中国GP(3月13~15日)に続き、F1日本GP(日本グランプリ)が第3戦に位置する。この構成は、アジア・オセアニアを一つの地域ブロックとしてまとめたものとなっており、機材・人員の移動の簡素化と環境負荷軽減の両面でF1の戦略に合致している。「開幕3戦目」の鈴鹿が持つ戦略的な重み2026年は、F1が100%持続可能燃料と次世代パワーユニットを採用する技術的変革の年。この大転換期において、鈴鹿で開催される日本GPが第3戦として担う役割は非常に大きい。中国GP(第2戦)から2週間、バーレーンGP(第4戦)までにも2週間の間隔が空いており、日本グランプリは連戦の合間に独立した節目として設けられている。このスロットは、各チームにとってテストと2戦分のデータを踏まえた初期評価・セットアップ見直し・新パーツ投入の判断が問われるタイミングであり、“技術の実戦評価”という重みを持つレースとなっている。F1新時代の「桜のステージ」へ2026年は、新技術規則の導入により空力・エネルギーマネジメント・重量バランスなどすべてが見直される。マシンだけでなく、ドライバー、チーム体制、戦略判断も含めて抜本的に刷新されるシーズンだ。その中で開催される鈴鹿サーキットのF1日本GPは、テスト走行の延長ではない“実戦環境での新時代初チェックポイント”となる。桜が咲く静かな鈴鹿に、F1の新時代が流れ込んでくる――そんな構図は、単なる情緒的象徴ではなく、F1が求める合理性と魅力を兼ね備えた舞台設定でもある。春の鈴鹿が「定番」として根付く2026年のF1日本グランプリが再び3月末に開催されることで、「春の鈴鹿」はもはや一時的なスケジュール変更ではなく、F1カレンダーにおける新たな定番となった。観戦環境としても過ごしやすく、国際ファンの誘致、地域経済への貢献、持続可能性への対応も兼ね備えるこの日本GPは、今後ますますF1における重要な構成要素としての価値を高めていくと見られる。春に咲く桜とともに、新しいF1の姿がまた鈴鹿で刻まれることになる。2026年 F1 カレンダー日付国開催地3月6日~8日オーストラリアメルボルン3月13日~15日中国上海3月27日~29日日本鈴鹿4月10日~12日バーレーンサクヒール4月17日~19日サウジアラビアジェッダ5月1日~3日アメリカマイアミ5月22日~24日カナダモントリオール6月5日~7日モナコモナコ6月12日~14日スペインバルセロナ・カタルーニャ6月26日~28日オーストリアシュピールベルク7月3日~5日イギリスシルバーストン7月17日~19日ベルギースパ・フランコルシャン7月24日~26日ハンガリーブダペスト8月21日~23日オランダザントフォールト9月4日~6日イタリアモンツァ9月11日~13日スペインマドリード*9月25日~27日アゼルバイジャンバクー10月9日~11日シンガポールシンガポール10月23日~25日アメリカオースティン10月30日~11月1日メキシコメキシコシティ11月6日~8日ブラジルサンパウロ11月19日~21日アメリカラスベガス11月27日~29日カタールルサイル12月4日~6日アブダビヤス・マリーナ*マドリードはFIAサーキットホモロゲーションの取得が条件