第102回 インディ500の決勝レースが5月27日(日)にインディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催され、ホンダ勢では燃費作戦で逆転を狙ったスコット・ディクソンが3位、ディフェンディング・チャンピオンの佐藤琢磨は序盤で遅いマシンと接触し、リタイア32位という結果に終わった。1911年に第1回目のレースが行なわれ、今年が102回目の開催となったインディアナポリス500マイルは、最高気温が32℃に達し、路面の温度は50℃を超える過酷なコンディションで争われ、チーム・ペンスキーのウィル・パワーが11回目の挑戦で初優勝を飾...
2008年ウィナーのスコット・ディクソン(Chip Ganasi Racing)は予選9位からトップグループでチャンスを待った。レースが進む中でHondaエンジンの燃費がライバルを上回っていると判明したこともあり、ディクソンのチームはレース終盤に燃費をセーブして勝利を目指すよう作戦を切り替えた。もうゴールまで50周を切ってから出されたアクシデントによるフルコースコーションを利用し、彼らはカーナンバー9をピットロードへと呼び込んだ。残り40周回を無給油で走り切る作戦で勝利へと逃げ切ろうとしたディクソンだったが、あと一歩及ばず。彼は3位でのゴールとなった。今年のレースデイはインディ500の長い歴史でも記録的に暑く、ダウンフォースが減少していたために、マシンをコントロールするのが難しい戦いが展開された。アクシデントが頻発し、フルコースコーションが続けざまに出されたため、半分ほどのチームが燃費をセーブして1回少ないピットストップでゴールすることを目指していた。その中には大ベテランのオリオール・セルビア(Rahal Letterman Lanigan Racing)がおり、彼はゴールまで20周でトップに躍り出た。しかし、残り3周でピットに向かわざるを得なかった。佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)は16番手グリッドからスタートし、1回目のピットストップには33周を終えたところで入った。暑さ対策としてマシン・セッティングに変更を加え、終盤のバトルに向けて徐々にマシンを向上させて行く、ベテランらしい戦いで上位進出、さらには優勝争いを、と考えていた佐藤琢磨だったが、46周でのリタイアとなった。周回遅れのマシンがコーナーの中でバランスを崩し、大きく減速してレーシングラインに戻って来たため、佐藤琢磨は行き場を失って追突した。インディカーシリーズは休む間も無く次週はミシガン州デトロイトのストリートコースでダブルへダーを開催する。スコット・ディクソン(3位)レース終盤にフルコースコーションが出た際、リスタートの少し前にピットで燃料をできる限り積み、燃費作戦での優勝を狙いました。しかし、今日の私たちはライバル勢に比べてトラフィックでのハンドリングが苦しく、前を行くマシンをパスするのにとても苦労しました。ライバルたちとギヤ比が大きく違っていて、リスタートでのパフォーマンスも悪かったですね。1速だとリミッターが作動し、2速だと加速が悪くて後続にパスを許すしかありませんでした。それでも私たちは3位でゴールすることができました。これはチーム力の高さによるものです。燃費作戦は今回の私たちにとってはベストの作戦で、私は彼らの提示した数字を実現するよう務めました。ウィナーのパワーには、心からおめでとうと言いたいですね。佐藤琢磨(32位)ジェイムズ・デイビソンはスピードが上げられずに苦しんでおり、全速力で走っている私との速度差が大きかったため、彼のマシンを避けることができませんでした。彼の存在に気づいてアクセルを戻し、ブレーキまで踏んだのですが、間に合いませんでした。あのようなエアポケットに入ってしまっては空気抵抗がなく、一気に吸い寄せられてしまうのです。どちらにとっても不運なアクシデントでした。私としてはチームとファン、そしてサポーターに対して申し訳なく感じています。あの時は16番手を走っていたのですが、ロバート・ウィッケンズ(Schmidt Peterson Motorsports)とともに集団の先頭へと追いついて行っていたんです。彼がデイビソンに追いつき、横に並んだのが見えました。おそらくあの時、デイビソンはマシンをコントロールし切れない状況になっており、アクセルを戻したけれどレーシングラインから外れてしまったんです。彼は大きく減速し、こちらは全力で走っていたため、そのスピード差は非常に大きく、よけきれなかったんです。本当に残念です。次のデトロイトは昨年Rahal Letterman Laningan Racing)がダブルへダーの2戦両方で勝ったサーキットですから、今年もいい走りができることと期待をしています。今回のレースから気持ちを早く切り替えて、デトロイト、そしてシーズンの中盤戦以降に臨みたいと思います。
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