2021年 インディカー 第9戦ロードアメリカの決勝レースが6月20日(日)に行われ、アレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)が今季2勝目を挙げてランキング首位を奪還した。五大湖地方のウィスコンシン州にあるロードアメリカは、緑の中にあるとても美しいサーキットとしてその名を知られている。全長は4.014マイルと長く、”スピードの国立公園”とも称されるロードコースを75周して争われる2021年インディカー・シリーズ第9戦。
優勝したのは、デビュー2シーズン目のアレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)。コルトン・ハータ(Andretti Autosport w/ Curb-Agajanian)がそれに続き2位でフィニッシュし、Hondaは5月の第105回インディアナポリス500マイルに続く、今シーズン2回目の1-2フィニッシュを達成した。開幕戦のHondaインディ・グランプリ・オブ・アラバマでキャリア初優勝を飾っているパロウは、このロードアメリカでキャリア2勝目、つまり今シーズンの2勝目を挙げ、ポイントリーダーの座に復帰した。また、Hondaエンジンを使うドライバー7人がトップ8フィニッシュしたことにより、Hondaはマニュファクチャラーズ・チャンピオンシップのポイントリードを広げた。パロウは昨シーズン、デビューからわずか3戦目だったロードアメリカでのレースで3位フィニッシュし、インディカーで初めて表彰台に立った。元々ある地形を活かし、自然の中に溶け込むように作られた、ヨーロッパ的な雰囲気も漂わせるロードアメリカ。テクニカルな高速コースはパロウにとって相性がよく、彼がシリーズで最も気に入っているサーキットでもある。今年も予選で上位に食い込んだパロウは、やや雲がかかって心地よいコンディションのもと、3列目イン側という好位置からスタート。12周目までに2番手までポジションを上げ、ポールポジションからスタートしたジョセフ・ニューガーデン(シボレー)の背後につけた。多くのファンがコースサイドで見守る中、2番手を走り続けたパロウは勝負のチャンスが訪れるのを待ち続けていた。そして、ゴール前2周で切られたリスタートで思いきり加速し、ターン1へと到達する前にトップに立った。そのあとパロウは後ろを振り返ることなく、チェッカーフラッグまで突っ走った。これはパロウにとってシーズン2勝目であると同時に、今季4回目の表彰台。昨年のロードアメリカはダブルヘッダーで、Chip Ganassi Racingが両レースで優勝しているため、今週末のパロウの勝利によって、チームはロードアメリカ3連勝。Hondaにとっても2019年からの4戦連続優勝となる。インディカー・シリーズは第9戦を終え、これからシーズン後半戦へと向かう。パロウはポイントリーダーの座を奪還し、28ポイントのリードを2番手のパトリシオ・オワード(シボレー)に、53ポイントのリードをチームメートのスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)につけている。シリーズ第2戦で優勝しているハータが、ロードアメリカでは2位フィニッシュした。Hondaはシーズン2回目となる1-2フィニッシュ、9レースで6勝目をマークしたことにより、マニュファクチャラーズ・チャンピオンシップでのポイントリード(暫定)を29ポイントへと伸ばした。パロウのチームメートのディクソンとマーカス・エリクソン(Chip Ganassi Racing)、Dale Coyne Racing with RWRのロマン・グロージャン、Andretti Autosportのアレクサンダー・ロッシ、そして、Rahal Letterman Lanigan Racingの佐藤琢磨と、Hondaパワーで走る7人がロードアメリカでトップ8フィニッシュを記録した。佐藤琢磨はマシンセッティングに苦しんで予選は20位だったが、予選後のファイナルプラクティスでスピードアップのヒントをつかみ、レースにはセッティングをもう一歩進めて臨んだ。得意のスタートでポジションアップに成功した佐藤琢磨だったが、アクシデントで後退。マシンにもダメージを受けた。しかし、その修理のために1回目のピットストップには早めに入り、そこからはトップグループとは違うピットタイミングで戦って勝機を見いだそうとした。レース半ばの31、32周目にはトップを走行。ゴール前2周のリスタートを12番手で迎えた佐藤琢磨は、1周につき2台をパス、4つものポジションアップを実現し、スタート位置から12も上の順位、8位でゴールした。次戦は7月2~4日にオハイオ州のミッドオハイオ・スポーツカーコースで開催されるHondaインディ200アット・ミッドオハイオ。アレックス・パロウ(Chip Ganassi Racing)「2勝目を挙げることができ、言葉がありません。カーナンバー10のマシンを担当してくれているクルーたち、そして、チームに感謝します。すごいレースでした。私たちのマシンはスタートからずっと、本当によかったんです。HondaとHPDがすばらしい仕事をしてくれたおかげで、必要なところでオーバーテイクを実現することができていました。とてもうれしいし、私たちのチーム、Chip Ganassi Racingを誇りに思います。今日、こうして勝てたなんて、本当に信じられません。 次はミッドオハイオですよね。そちらでも勝つために全力で戦います」佐藤琢磨(Rahal Letterman Lanigan Racing)「ロードアメリカでの週末はたいへんでした。自分たちはスピードが不足しており、予選結果は20番手。しかし、チームの作戦のおかげで、大きく順位を上げてゴールすることができました。コナー・デイリー(シボレー)には申し訳ないことをしました。あのコーナーに奥深く飛び込み過ぎたのは私のミスで、彼を押し出してしまいました。最終的に、私たちはピットのすばらしい作戦によってポジションを上げ、ペースも悪くありませんでした。デイリーとの接触でマシン左側のサイドウイングを大きく傷め、粘着テープで固定して走っていましたが、リスタートはとても楽しく、最後はすごいスプリントレースになって、私たちは8位でのフィニッシュができました。スピードが不足していた状況を考えれば、とてもいい結果を得ることができたと思います。チーム全体がいい仕事をしたということです。シーズン後半戦もプッシュし続けていきます。皆さんのサポートにとても感謝しています」Pos.DriverNum.チームConstr.Pts1Alex PALOU10Chip Ganassi RacingHonda512Colton HERTA26Andretti Autosport w/ Curb-AgajanianHonda403Will POWER12Team PenskeChevrolet354Scott DIXON9Chip Ganassi RacingHonda335Romain GROSJEAN51Dale Coyne Racing with RWRHonda306Marcus ERICSSON8Chip Ganassi RacingHonda287Alexander ROSSI27Andretti AutosportHonda268Takuma SATO30Rahal Letterman Laniga...
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