アキュラは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権から今季限りで撤退することを正式に発表した。これにより、2018年から続いてきた同ブランドのプロトタイプ参戦は一区切りを迎える。今回の決定は、親会社ホンダが電動車(EV)事業で大きな損失を抱えている状況と連動しており、GTPプログラム終了の流れはすでに報じられていた。アキュラは「一時停止」と表現しているが、実質的にはファクトリー活動の終了と受け止められている。
GTPプログラムは“停止” インディカーへ軸足移行アキュラは声明の中で、IMSAのGTPプログラムを「一時停止」するとしつつ、今後はNTTインディカー・シリーズへの関与を強化する方針を明らかにした。具体的には、2026年のインディアナポリス500において、マイヤー・シャンク・レーシングから参戦するマーカス・アームストロングのマシンにアキュラがスポンサーとして関与する。一方で、ARX-06をカスタマーチームに供給する可能性については言及されておらず、今後の展開は不透明なままとなっている。また、スポーツカープログラム停止の明確な理由も説明されていない。2018年からの成功の歴史 25勝・10タイトルHRC USの社長デビッド・ソルターズは、これまでの実績を振り返りつつ、2026年シーズンの戦いに集中する姿勢を強調した。「我々は2018年にアキュラARX-05を導入して以来のプロトタイプ活動で成し遂げてきたことを非常に誇りに思っている。そしてハイブリッドのARX-06でIMSAのGTPカテゴリーに参戦する2026年シーズンを通して、タイトル獲得に全力を尽くす」「この期間で25勝、34回のポールポジション、そして10のタイトルを獲得した。我々は2026年を力強く締めくくることを楽しみにしている」「HRC US、アキュラ、マイヤー・シャンク・レーシング、そしてオレカのすべての関係者の努力に感謝したい。この競争の激しいGTPカテゴリーで現在の位置に到達するために尽力してくれた」直前のロングビーチ優勝直後の決断今回の発表は、ロングビーチで行われたアキュラ・グランプリでの勝利直後というタイミングで行われた。レンジャー・ファン・デル・ザンデとニック・イェロリーが93号車アキュラARX-06で優勝し、同ブランドにとって2009年以来となる同地での総合優勝を達成していた。なお、ファン・デル・ザンデ、イェロリーに加え、コリン・ブラウン、トム・ブロンクビストといった契約ドライバーは、2027年に向けてフリーエージェントになると見られている。IMSA GTPは4メーカー体制へアキュラの撤退により、来季のIMSAウェザーテック選手権GTPクラスはアストンマーティン、BMW、キャデラック、ポルシェの4メーカー体制となる見込みだ。また、参戦が期待されていたジェネシスについては、2027年のフル参戦を見送る方向とされているものの、シーズン後半でのデビューの可能性は残されている。2018年にチーム・ペンスキーとともにデビューしたARX-05は、2019年と2020年に連続タイトルを獲得。その後もウェイン・テイラー・レーシングやマイヤー・シャンク・レーシングにより活動が継続され、2022年にはMSRが3度目のタイトルをもたらした。その流れを受け継いだARX-06によるGTP時代は、わずか数年で幕を閉じることになる。今回の決定は、モータースポーツ活動が親会社の事業戦略に大きく左右される現実を改めて示すものとなった。
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