2025年F1第14戦ハンガリーGPに向けて、3チームがハイダウンフォース仕様が求められるハンガロリンクに対応したアップグレードを届け出た。FIAに提出された公式書類によれば、レッドブルは空力と冷却の両面で改良を施し、アストンマーティンはバランス向上を狙った新型フロントウイングを持ち込んでいる。レーシングブルズも冷却系の強化に取り組み、ブダペストの暑さに備える構えだ。
ここでは、FIAが公表した技術変更報告書に基づき、各チームの主なアップデート内容を紹介する。■ レッドブル:フロントウイングと冷却系を改良、信頼性とハイダウンフォース対応を強化レッドブル・レーシングはフロントウイングとフロントコーナー周辺にアップデートを導入。フロントウイングでは、セカンドエレメントのコード長を延長することで、リアウイングとのバランスを取るためのダウンフォース向上を実現した。さらに、フロントコーナーではスクープ型インテークと排気ダクトを拡大・再設計。これにより、ホイール周りのブレーキ冷却性能を高め、信頼性向上も図っている。■ アストンマーティン:ハイダウンフォース仕様に対応した新フロントウイング投入アストンマーティンは、前戦で導入した新型フロントウイングにさらなる改良を加え、よりアグレッシブなフラップデザインをハンガリーGPで初投入する。今回のアップデートは、リアに搭載されるハイダウンフォース仕様のウイングと組み合わせて使用されることを想定しており、車両全体のダウンフォースバランスを最適化する狙いがある。この変更により、タイトでテクニカルなハンガロリンクでのグリップ確保と安定性向上が期待される。■ レーシングブルズ:前後冷却系を強化し熱対策を万全にレーシングブルズは2か所のアップグレードを実施。フロントコーナー部では、ブレーキドラム周辺の形状を見直し、車体後方への空気の流れをよりスムーズに整流する設計とした。これにより空力効率が向上し、全体のバランス改善にも貢献する。加えて、ルーバーパネル(冷却用開口部)も大型化され、エンジン冷却性能を強化。ハンガロリンク特有の高温下において、パワーユニットの保護と安定したパフォーマンスを実現するための対策となっている。
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