9月4日(日)、ツインリンクもてぎ(栃木県)にて、WTCC(世界ツーリングカー選手権)第9戦日本ラウンドの決勝レースが行われた。予選10番手までがリバースグリッドとなるオープニングレースで、今回スポット参戦となる道上龍(Honda Racing Team JAS)はオープニングラップで12番手となり、5周目を終えて11番手に浮上。その後はポジションを守りきり、11位でフィニッシュした。
予選順位通りのグリッドで行われるメインレースでは、道上は15番グリッドから一つ順位を上げたものの、後続にポジションを奪われ、17位でレースを終えた。オープニングレースでは「ホンダ・レーシング・チーム・ヤス(Honda Racing Team JAS)」のノルベルト・ミケリスが優勝し、Honda Civic WTCCは今シーズン4勝目を達成した。2位にロブ・ハフ、3位にティアゴ・モンテイロと、「カストロール・ホンダ・ツーリングカー・チーム(Castrol Honda World Touring Car Team)」の2人が続き、Honda Civic WTCC勢が表彰台を独占。メインレースでは、4番グリッドからスタートしたモンテイロがポジションを一つ上げて3位表彰台を獲得した。道上龍 (11位/17位)「準備不足の部分もありましたが、いろいろなバックアップをしてもらい、なんとか2レースを走りきれました。完走を目標としていたので、その点はよかったです。久しぶりのレースでしたが、オープニングレースを走り終えたあとで“まだ走れるのかな”という感覚がありました。また、メインレースでは、暑さ対策にクールスーツを使っていましたが、序盤に効かなくなってしまい、スイッチを切ったらかえって熱い水が回り、身体が苦しくなってペースダウンしました。それだけでなく、メインレースでセットアップを変えてきているマシンが多く、周囲のペースについていけないない部分もありました。接触などWTCCならではの激しさを経験しましたし、わずか13〜14周のレースの中に、マシンの変化やタイヤの使い方などいろいろな要素が詰まっていて、それらをどう克服して走りきるか、という点は難しかったです。まだ合わせきれていない部分もあり、もし今後も乗るようなことがあれば、そこは課題だと思います。マシンの変化への対応については、明確なものはまだ見つけられていません。前を走っているドライバーを見ていても、アウトに振ったり、インについたり、バトルをしながらいろいろと工夫しているようです。印象としては、SUPER GTやスーパーフォーミュラよりもタイヤの使い方が難しいかもしれません。すごく気を遣わなければならないです。特にパワーのかけ方やアクセルコントロールが難しかったです。エンジニアからいろいろ教えてもらいましたが、なかなかすぐにマスターするのは難しいですね。難しかったですが、いい経験をさせてもらったと思います」堀内大資 (Civic WTCC開発プロジェクトリーダー)「オープニングレースで表彰台を独占し、メインレースでもモンテイロ選手が3位を獲得。日本での戦いでいい結果が出せたことをうれしく思います。もちろん、メインレースでの優勝が目標でしたので、すべて満足というわけではありません。やはり予想以上にハンディウエイトの影響が大きく、予選で好位置を得られなかった点は反省です。レースでは、厳しいことが予想されたブレーキへの対応がしっかりできて、予選ほどライバルとの差はなく戦えたことは、大きな収穫でした。道上選手は初めてのレースでしたので、なかなかかみ合わないことがありましたが、彼の速さ、ポテンシャルの高さはほかのドライバーもチームも認めています。それをちゃんと披露し、クールスーツのトラブルにもかかわらず最後まで走りきってくれましたし、またこのレースの難しさを、我々に改めて教えてくれました。最後に、日本の多くファンの皆さんに、力強い応援をいただいたことに感謝します。ありがとうございました」
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