ホンダF1は、2023年シーズンもレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリにHondaとHRCのロゴを掲載。HRCの渡辺康治社長は技術支援を行っているレッドブルとの「絆の象徴」だと語る。ホンダは2020年、翌年末をもってF1から撤退すると発表した。それは、2021年にマックス・フェルスタッペンをドライバーズ・チャンピオンシップに導き、昨シーズン支配したレッドブルによるパフォーマンスの上昇と一致した。
しかし、ホンダの名前はF1エンジンから削除され、そのブランディングは『HRC(ホンダ・レーシング・コーポレーション)』の控えめなロゴに縮小されていた。だが、ホンダは、2022年に鈴鹿サーキットでマックス・フェルスタッペンがドライバーズ タイトルを獲得する 4 日前に、レッドブルの車の横にそのHONDAロゴを復元した。ロゴ掲載は2023年も継続され、さらにレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリが搭載するF1パワーユニットは「Honda RBPT H001」として登録され、ホンダの名前が復活する。「2022年シーズンにおいて、HRCはレッドブルのパートナーとしてレッドブル・パワートレインズにパワーユニットを供給し、オラクル・レッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリの2チームにサポートを提供し、オラクル・レッドブル・レーシングが2つのタイトルを獲得しました」と渡辺康治社長はコメント。「2023年も引き続き両チームをサポートし、両チームのマシンにはホンダロゴとHRCのロゴが入り、パワーユニットの製造者名にホンダが入るようになります」「パワーユニットは、Honda RBPT H001として2023年を戦っていきます。ホンダの名称が入ることをうれしく思っており、ホンダのブランドが入った両チームを全力でサポートしていくので、今シーズンも応援よろしくお願いします」F1マシンにロゴを掲載することについて渡辺康治社長は「ロゴに関しては、2022年のF1日本GPからサイドにホンダ、ノーズにHRCのロゴが入る形になっており、本年もそれは同様です。HRCが両チームに対して技術支援を行なっており、その絆の象徴としてホンダのロゴを入れていただいています」と語る。ホンダは、2026年からF1のパワーユニットサプライヤーとして登録した。2026年のルールに向けてエンジン開発について質問された渡辺康治社長は「パワーユニットを開発しているのかという点に関しては、2026年からのF1ルールの中でホンダの技術として生きてくるものに関しては開発を続けてます」とコメント。「2026年以降のF1は電動化に大きく舵を切っています。それはホンダの方向性であるカーボンニュートラルの実現と合致しています。そうしたこともありパワーユニット製造者としての登録を行ないました。それは、今後F1がどういう動きをして、レース全体がどうなっていくのかをしっかり見ていくためです」「パワーユニット製造者登録を行なった後、複数のF1チームからコンタクトをいただいています。F1が今度どういう動きをしていくのかを含めて見ていきたいと考えていますが、再参戦という結論には至っていません」レッドブルは2026年からフォードと提携することが発表されている。「2026年からレッドブルがフォードと組むということは事前に連絡をいただいていました」と渡辺康治社長。「しかし、2025年までは両社がしっかりと信頼関係を持ってチャンピオンを狙っていきます。レッドブルがフォードと組むことに何かを言う立場にはありませんが、レッドブルとの協力関係はいろいろあるので、そこはこれまで通りしっかりやっていきたいと思っています」レッドブルF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、ホンダと続けていくには交渉が複雑過ぎたと語っていた。レッドブルとの交渉が失敗した理由について質問された渡辺康治社長は「失敗したとは思っていません」とコメント。「レッドブルとはいろいろなコミュニケーションをしており、さまざまな話をしています。結果的に2026年以降は一緒にやることはないとお互いに決定しました。2025年まではこれまで通りの関係を継続することになります」「レッドブルとは普段から密接にやりとりをしており、さまざまな議論をしています。その中での両社の判断という形なので、これ以上何かをお話しすることはありません」