ホンダF1のマネージングディレクターを務める山本雅史が、角田裕毅のアルファタウリ・ホンダF1でのデビューシーズンを振り返った。プレシーズンテストで好パフォーマンスを見せ、F1バーレーンGPで9位入賞という順調なスタートを切った角田裕毅。だが、その好調ぶりがF1を過小評価することに繋がり、度重なるクラッシュによって前半戦は自信を失うことになる。
しかし、レッドブルは角田裕毅をアルファタウリ・ホンダのファクトリーのあるイタリアに転居させて、チーム代表のフランツ・トストによる教育を受けさせた。チームメンバーとのコミニュケーションも向上して角田裕毅は自身を取り戻し、後半戦は定期的に予選Q3に進出。最終戦F1アブダビGPでは予選でチームメイトのピエール・ガスリーを初めてアウトオリファイし、決勝でもガスリーの前で自己ベストとなる4位でフィニッシュ。32ポイントを獲得してランキング14位でルーキーシーズンを終えた。「今回のレースで、角田選手は全セッションでピエール・ガスリー選手の前にいました。角田選手も最後のレースを迎えるにあたり本当にいい顔をしていました」と山本雅史は語る。「昨日の予選Q3ではいろいろありましたが、FP1から乗れていたし、夏休み以降、金曜日から3日間をどう組み立てていくかをずっと話してきました。そういった組み立てから、メンタルの面でも成長しています」レッドブルF1は、リザーブドライバーのアレクサンダー・アルボンをレース週末の角田裕毅の教育係にあてた。「マルコ氏のアイデアで、アレックス・アルボン選手からアドバイスを受けたのも非常に役立っています」と山本雅史はコメント。「アルボン選手は来年ウイリアムズでライバルになるのに親身になって角田選手に共有してくれていました」「角田選手の土壇場での強さみたいなものには今年も驚かされました。昨年のF2のときにも終盤のバーレーンでの2連戦で『最初のラウンドで3位以内が確定したら、次のバーレーンでF1に乗せてしまおう』という話をマルコ氏としていました。しかし、そのレースでリタイアに終わってしまってそれはなくなってしまいましたが、最終ラウンドでは優勝と2位という結果を出し、ランキング2位に迫る結果を残しました」「今年も前半戦最後のハンガリーで6位、そして、今回の最終戦でも4位と良い結果を残しており、来年につながる走りができたと評価してよいと考えています」