ホンダF1の2020年のF1世界選手権を記録から振り返る。世界中に影響を与えた新型コロナウイルス感染拡大により、F1カレンダーも大幅な見直しを強いられ、7月から23週で17戦を開催する過密スケジュールのシーズンとなった2020年。ホンダF1としては、レッドブル・レーシングが2勝、アルファタウリ・ホンダが1勝の計3勝を挙げ、これらを含む14回の表彰台登壇を果たした。
レッドブル・レーシングはマックス・フェルスタッペンとアレクサンダー・アルボン、アルファタウリ・ホンダがピエール・ガスリーとダニール・クビアトというドライバーラインアップで臨み、トップ5フィニッシュはのべ20回、ポイント獲得は41回を記録した。また、この過密日程の中でもホンダのF1パワーユニット「RA620H」を使用する4名のドライバーは、一度もPU関連ペナルティーを受けることなくシーズンを終了。これはF1に参戦する4つのPUマニュファクチャラーの中で唯一となる。ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治はこう振り返る。「ホンダF1プログラムに関係してくださった全員と、我々の仲間であるレッドブル、アルファタウリのメンバーに感謝しています。そして、このメンバーたちを支えてくれた家族の皆さまにもお礼を伝えたいです。過去の戦いから学び、信頼性の向上に尽力してきましたが、今季の1ドライバーあたり3基というレギュレーションを守ることができ、PU関連ペナルティーを受けずにシーズンを終えることができました」さらに、ホンダF1のPUは予選での戦いぶりも向上しました。4名のドライバーがのべ68回出走し、そのうち46回でトップ10入り。4台全車のQ3進出は3戦あった。また、今季は3名のドライバーが表彰台に登壇し、全ドライバーがトップ4フィニッシュを記録。ピエール・ガスリーはF1キャリア初優勝を飾った。レッドブル・レーシングはコンストラクターズランキングで4年ぶりに2位へと返り咲いたが、ホンダのF1エンジンを搭載したチームとしては、2004年のラッキーストライク BAR ホンダが2位となって以来となる。フェルスタッペンはシーズン2勝、ポールポジション1回を獲得し、11回の表彰台登壇を果たしたが、これはホンダドライバーとして1991年のアイルトン・セナの12回に次ぐ数字となる。また、アルボンはキャリア初を含む2回の表彰台登壇。クビアトは第13戦での4位フィニッシュのほか、シーズン最後の3連戦ではすべて予選トップ10入りを果たした。「今季はアストンマーティン・レッドブル・レーシングとともにタイトル争いを目指していましたが、一年を通じてはメルセデスと互角に戦えませんでした。まだまだパッケージの向上が必要なことを痛感しています。その中でも、フェルスタッペン選手の70周年記念GPでの勝利や、ガスリー選手がチームとHondaの50戦目という節目、さらにはホームGPのモンツァで初優勝を飾ってくれたことなど、好結果を残せた部分もあります。発表の通り、HondaのF1での戦いは来年末までとなります。ただ、我々の目標は変わらず、チャンピオン獲得です。パートナーであるチームともにさらなるパフォーマンス向上に取り組み、もっと強くなって戻ってきたいと思います」ホンダF1として最後の1年となる2021年は、暫定カレンダーでは3月21日決勝のオーストラリアGPを皮切りに、12月5日決勝のアブダビGPまで、全23戦が予定されている。1964年の参戦開始からの表彰台回数は先日のアブダビGPで合計199回となっており、まずは200回目の登壇を目指し、開幕戦に臨む。
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