スパ・フランコルシャンで行われたF1ベルギーGPの決勝レースで、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが3位に入り、6戦連続の表彰台を獲得した。レッドブル・ホンダは、ミディアムタイヤを履いたフェルスタッペンが3番手、ソフトタイヤのアレクサンダー・アルボンが5番手からスタート。フェルスタッペンはオープニングラップでダニエル・リカルド(ルノー)と激しく競り合い、3番手をキープしたが、アルボンは1つポジションを落として6番手でレースを展開することとなった。
アルファタウリ・ホンダは、グリッド上で唯一ハードタイヤを選択したピエール・ガスリーが好調なペースを見せ、序盤で8番手までポジションアップ。ミディアムタイヤを履いたダニール・クビアトは12番手でレースを進めた。11周目にアントニオ・ジョヴィナッツィ(アルファロメオ)とジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)が相次いで激しいクラッシュを喫する。両ドライバーとも自力でマシンを降りることができたが、レースはセーフティカーが導入される。セーフティカー走行は15周目まで続き、この間にガスリーとセルジオ・ペレス(レーシングポイント)を除く全車がピットインしてタイヤを交換した。これによって、ガスリーは4番手までポジションを上げる。フェルスタッペンは3番手を守り、アルボンはエステバン・オコン(ルノー)の前に出てレースを再開。クビアトもトップ10圏内までポジションを上げることができた。その後、フェルスタッペンは前方のバルテリ・ボッタス(メルセデス)にプレッシャーをかけるべくプッシュするが、レース終盤にかけてタイヤの摩耗を抑える必要が出てきたため、ポジションを守る走りへと切り替えて3位でフィニッシュ。アルボンもタイヤをいたわりながらポジションを守っていたが、最終ラップでオコンにオーバーテイクを許し、6位でのチェッカーフラッグを受けた。ガスリーは、残り17周となったところでピットインし、16番手でコースへと戻ると、そこからポイント獲得を目指して猛烈な追い上げを開始。36周目にはクビアトの後方の11番手までポジションを上げると、クビアトはペースで上回るガスリーを前へ出す。ガスリーはさらに2台のレーシングポイント勢をパスして、8位でフィニッシュ。このレースの“ドライバー・オブ・ザ・デイ”に選出された。ホンダF1パワーユニット勢は3台がポイントを獲得。次戦は1週間後、イタリア・モンツァへ舞台を移し、さらなる高速サーキットでの戦いが繰り広げられる。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「今日のベルギーGP決勝では、HondaのPUを積むマシン4台のうち3台が入賞し、我々にとってまずまずの結果になりました。フェルスタッペン選手は、終盤かなりタイヤの劣化が厳しい中でうまくペースをコントロールしながら、3位でフィニッシュ。6戦連続となる表彰台を獲得してくれました。チームメートのアルボン選手もトラフィックのある難しいコンディションの中で厳しいレースとなりましたが、6位入賞となりました。しかし、最終周でポジションを落としたことに悔しさを感じています。グリッド上で唯一ハードタイヤを履いてスタートしたScuderia AlphaTauri Hondaのガスリー選手は、セーフティカー中にピットインせず、ほかのマシンとは異なる戦略を選択。数々のオーバーテイクを見せ、8位入賞となりました。レースを通して非常に力強い走りをしていたので、展開次第ではもう少し上の順位も狙えたのではと思っています。クビアト選手も粘り強くレースを続けましたが、惜しくもポイント圏外の11位という形になりました。次週からはイタリアでモンツァ、ムジェロの2連戦を迎えます。PUモードの使用制限という新たな制約下で初めてのレースになりますので、十分にPUの使い方などのシミュレーションを行った上で戦いに臨みます」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)「このコースは大好きですが、僕のレースはあまりエキサイティングな展開にはなりませんでした。バトルも多くなく、自分のレースをして最善の結果を持ち帰ろうと取り組みました。ミディアムタイヤではそこまでグリップがなく、ハードタイヤに交換してからバルテリ(ボッタス)にプレッシャーをかけようとしましたが、彼はペースを上げるように指示されてギャップを築いてしまったので、孤独なレースとなりました。僕の前方では大きな動きもなく、残念ながらタイヤの摩耗も大きかったので、あまりプッシュすることができませんでした。レース終盤にはフロントからバイブレーションを感じたので、タイヤマネジメントに集中せざるを得ず、リスクを冒さずに完走を目指しました。全体的には、いいレースウイークになりましたし、マシンのバランスもいいので、満足しています。3位になるためにここにいるわけではないですし、もっと上を目指していますが、今回も表彰台に立ててよかったです」アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)「何をしても難しい状況で、フラストレーションの溜まるレースでした。レース前から、ルノー勢はダウンフォースを低くして最高速が速いので、オーバーテイクが難しいと分かっていたのですが、それを実際のレースで証明する形になってしまいました。ソフトタイヤでのスタートはなかなかいいと感じていましたし、ピットクルーが素晴らしい作業をしてくれて、オコン選手の前に出ることもできました。ミディアムタイヤでここまでデグラデーションが大きいとは思っていなかったのですが、もしかしたらタイヤ選択が正しくなかったのかもしれません。できる限りのプッシュをしてオーバーテイクを試みましたが、タイヤが終わってしまいました。モンツァのことを考える前に、まずはこれを振り返ってみます。ただ、チャンピオンシップで4位にポジションが上がったのはいいことですし、前進していることの証でもあると思います」ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)「アントワーヌ(ユベール選手)のことがあったので、好結果を目指した重要な日でした。僕らは、ほかのマシンと異なる戦略を採り、ハードタイヤでスタートすることを決めましたが、それが予想よりもうまくいき、何台ものマシンをオーバーテイクすることができました。ペレス選手をパスしたときは特に激しいバトルでしたが、とても楽しめました。スタートから20周までにセーフティカーが出てしまうと致命的だと思っていましたが、不運にもそういう展開になり、ほかのマシンにピットストップをされてしまう形になりました。それでもマシンはよくてペースがあったので、決してあきらめず、可能な限りハードにプッシュしました。ピットストップ...
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