ホンダF1にとって、インテルラゴス・サーキットで迎えたF1ブラジルGPの初日は、難しいコンディションの中でいくつかのトラブルにも見舞われたものの、全体としては力強いパフォーマンスをみせることができた。午前のセッション開始時はヘビーウエットコンディションでスタート。その後インターミディエイトタイヤで走行できるぐらいまでにトラックコンディションが回復すると、アレクサンダー・アルボンが0.5秒以上の差をつけて全体のトップタイムをマークした。
しかし、セッション終盤でスリックタイヤでの走行を試みた際、アルボンは最終コーナーでスピンし、走行を終えることとなりました。幸いにも、マシンへのダメージは大きくなかった。マックス・フェルスタッペンも難しいコンディションの中、セッション終盤でスピンをし、FP1ではタイム計測ができませんでした。トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーは8番手、ダニール・クビアトが9番手と続き、ウエットコンディションでも手応えを感じる結果となtt。FP2でようやくタイム計測を行うことができたフェルスタッペンは、この日のトップタイムからわずか0.134秒差のタイムをマークした。FP1のクラッシュから無事にFP2へ復帰したチームメートのアルボンは、FP2では9番手となった。トロロッソ・ホンダの2台にとってはFP2を早くも終えてしまうタフなセッションとなった。中団の僅差の争いの中、ガスリーは6番手からわずか0.2秒差の12番手をマークした。しかし、セッション残り20分、走行中にICEのトラブルがパワーユニットに発生してしまい、走行を終えることになった。クビアトはガスリーから0.072秒差の僅差で14番手をマーク。ベストタイムをマークした後、マシンの電源がシャットダウンしたことにより、ターン1でスピン。マシンはバリアにわずかに当たっただけだったが、クビアトは自力でピットに戻ることができなかった。チームはこれから電源のシャットダウンについての原因分析を行っていく。田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)「今日のブラジルGP初日は、FP1の序盤に激しい雨に見舞われ、走行ができない状況でしたが、中盤以降は徐々にコンディションが回復し、各車走行を開始していきました。セッションの最後にドライタイヤで走行を行ったアルボン選手がクラッシュを喫しましたが、チームの素早い修復作業により、午後のセッションへの影響はありませんでした。午後のFP2はコンディションが回復し、ドライで走行することができました。しかし、セッション終盤でRed Bull Toro Rosso Hondaのガスリー選手のPUにトラブルが発生し、マシンを止めなければなりませんでした。また、クビアト選手については、マシンの電源がシャットダウンした影響でクラッシュを喫しました。双方のマシンのトラブル原因についてはここから分析を行いますが、2台ともに金曜日用のPUを使用していたため、明日以降のセッションへの影響はありません」マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)「難しい天候の中のセッションとなり、なかなか安定しない一日でした。今日のコースコンディションと気温が、土日に予報されているものと大きく違ったため、今日のタイムはあまり参考にならないかもしれません。マシンに問題なく走行できたことはポジティブですが、改善できる部分は常にあるはずです。今日はいいレースウイークの初日となり、明日の予選に向けていいベース作りができました。トップ3はとても僅差なので、明日のトラックコンディションや路面温度にそれぞれがどう対応できるかが、カギとなりそうです。残りのレースウイークのコンディションがウエットでもドライでも、十分に戦える自信があります」アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)「今日は悪くなかったと思います。FP1は難しいウエットコンディションで、クラッシュで終えることは理想的ではありませんでしたが、ダメージも少なく、あまり大きなミスではありませんでした。コースの中で一番してはいけない場所でブレーキミスをしてしまいました。チームがFP2に走行できるよう、修復に努めてくれましたし、FP2の開始時に使用したハードタイヤではいい手応えを感じることができました。ただ、ソフトタイヤに変更した際にフラットスポットを作ってしまい、それ以上タイムを伸ばすことができませんでした。ただ、パフォーマンスは力強いですし、ロングランペースもいいので、今日はとてもポジティブな感触を得ています。一方で、今日はクリーンなセッションができたわけではないので、全体でどの位置にいるのかが確かではありません。このサーキットは簡単ではないサーキットですが、今日は天候とコース上にできてしまった川の影響により、さらに難しくなっていました。でも、楽しい走行ができたと思っています。インテルラゴス・サーキットはクラシックなサーキットなので、さらにリズムをつかめるよう徐々に走行を重ねていきたいと思います」ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)「ウエットコンディションでの走行は久しぶりだったので、今日の午前のセッションは楽しむことができました。いい感触で走行できましたが、明日以降はドライになるので、実際にはあまり有益なセッションではなかったかもしれません。午後のFP2ではプライムタイヤでまずまずの走行ができたのですが、ソフトタイヤではトラフィックの影響でタイムを出すことができませんでした。今日の結果からは、6番手から15番手までのポジションが0.3秒の差しかないため、明日の予選は中団が非常にタイトな戦いになると思います。なので、クリーンにラップを走行し、すべてを出しきる必要があります。とてもエキサイティングな予選になるのではないでしょうか。FP2の終わりにPUの問題が発生し、マシンを止めなくてはならなかったため、ロングランの周回を数周失うかたちになりました。ただ、こういったことはしばしば起こってしまいますし、今日は明日への準備としては十分な走行を重ねられたと思うので、明日巻き返しを図れればと考えています」ダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)「終盤でマシンがシャットダウンしてしまいましたが、手応えのあるセッションになりました。シャットダウンの原因を追求しなくてはなりませんが、それ以外は感触のいい走行だったと思います。コースの特性をより理解することができたので、明日の予選ではさらに速さを引き出せるよう、今夜チーム一丸となり明日に向けて準備をします」