F1ドイツGPの決勝は、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが優勝、トロロッソ・ホンダのダニール・クビアトが3位表彰台を果たし、表彰台を2台のホンダのF1パワーユニット(PU)搭載のマシンが飾るというすばらしい結果の歴史的な一戦となった。雨で迎えた日曜の決勝レースはコンディション確認のため3周のフォーメーションラップから始まったが、その後周回数を減らし、レースはスタンディングスタートが切られることとなった。
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリーはスタートで出遅れ、ポジションを落としてしたが、マックス・フェルスタッペンはすぐに3番手までポジションアップ。ピエール・ガスリーは早めのピットストップでさらにポジションを落としてしたが、懸命に追い上げを開始した。アレクサンダー・アルボンは16番手からスタートだったにも関わらず8番手までポジションアップし、初めてとなったウエットコンディションのF1でも力強さを見せた。コンディションが変わり、ピットストップが必要な状況になると、25周目のセーフティカーのタイミングでマックス・フェルスタッペンはミディアムタイヤに履き替える。しかしその後再度雨が降り始めると、チームは早めにインターミディエイトタイヤに再度変更する判断を下す。タイミングのいいピットストップのおかげで、マックス・フェルスタッペンはトップに立つことになった。その後もマックス・フェルスタッペンはピットインを繰り返し、全部で5回のピットストップを実施。チームは確実にピット作業を行い、マックス・フェルスタッペンも多くのドライバーたちがミスをおかす中で、冷静さを保ちレースに集中し、ここ3大会で2度目の優勝へとチームを導いた。3度目のセーフティカー中、残り20周となった時、トロロッソ・ホンダが思いきった作戦に出る。ダニール・クビアトが他チームに先駆けてスリックタイヤに変更。結果的に他のチームよりも1周早いタイミングでの判断をしたおかげで3番手に浮上し、その後ランス・ストロール(レーシングポイント)をオーバーテイクして、2番手にまでポジションアップを果たした。レースを通して両チームの作戦と判断はすばらしく、レース終盤ではホンダ PU搭載の4台すべてのマシンがトップ7以内を走行していた。しかしレース残り5周で再開した最後のセーフティカーの後、アレクサンダー・アルボンとピエール・ガスリーが6番手争いで接触し、マシンにダメージを負ったピエール・ガスリーは惜しくもリタイアとなった。また、セーフティカーにより各マシンの差が縮まり接近戦となったため、ダニール・クビアトはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)にオーバーテイクされるが、3位表彰台を獲得。トロロッソとしては2008年以来の表彰台、そしてホンダとしては1992年以来のダブル表彰台という偉業を達成することとなった。田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「フェルスタッペン選手が今季2勝目、クビアト選手が3位表彰台獲得と、すばらしいレース結果になりました。レースはウエットとドライが入り混じる難しいコンディションにより大荒れの展開となりました。そんな中、両ドライバーのすばらしいドライビング、非常に的確なチームのストラテジー、それに幾度にも渡ったピット作業を迅速かつ確実に成し遂げたピットクルーの仕事により、見事ダブル表彰台を獲得することができました。両チームのすばらしい仕事に、感謝しています。前回のオーストリアでのAston Martin Red Bull Racingの表彰台に続き、今回はRed Bull Toro Rosso Hondaとも一緒にポディウムに登ることができました。Toro Rossoと昨年ゼロから一緒にプロジェクトをスタートしてきた歴史を思うと、Hondaにとっても本当にうれしい表彰台になりました。Scuderia Toro Rossoのメンバー全員に、心からおめでとうの言葉を送ります。今日はこの特別な一日を、両チームと一緒に祝おうと思います。そして明日からはまた、来週末にやってくるハンガリーGPに向けた準備を進めます」本橋正充 (ホンダF1 チーフエンジニア/トロロッソ 担当)「いままでToro Rossoと一緒にたくさん苦労してきましたし、格別な想いです。ここのところ調子があまりあがらなかった中で、今日も本当に難しいレースになりました。そんな中で、すべてがうまく噛み合ったと思います。昨年も4位入賞はあったのですが、いつもあと一歩のところでうまくいかないレースも多かったです。そんな中、今日は本当に『やりきった』と言う手応えを感じられた、忘れられないレースに成りました。チーム、ドライバー、そしてすべてのHonda F1のメンバーの努力に感謝しています。そしてここまで応援してくれた皆さん、本当にありがとうございます」フランツ・トスト (トロロッソ代表)「今日のレースは、とてもエキサイティングなFormula1の一戦となりました。フェルスタッペン選手、優勝おめでとう!そしてHondaにとって、このPU時代の競争の中での2勝目は、たいへんすばらしい結果です! そして、ダニール・クビアト選手には誰よりも大きな『おめでとう』を言いたいです。彼の3位表彰台は成るべくして成した結果だったと思います。 今日のような難しいコンディションの中、彼は数々の巧みなオーバーテイクを見せ、最後の最後までミスなくレースに集中していました。雨は我々の味方となってくれたようです。雨の神に感謝しなくてはなりません。ダニールのタイヤ交換のためのピットインのタイミングは早くリスクがありましたが、結果的に表彰台獲得という結果につなげることができました。そのようなすばらしい作戦を立てたチームには賞賛の言葉を送りたいです。エンジニアたちがセットアップですばらしい仕事をしてくれたおかげで、今日は最高のマシンでレースができました。そしてアルボン選手の今日のレースで見せたパフォーマンスにも、とても満足しています。このように目まぐるしく変化するコンディションの中、F1マシンで走行することは、彼にとって初めての経験だったにも関わらず、6位でレースを終えるのには重要であったし、タイヤマネージメントもしっかりコントロールできていたと思います。Toro Rossoのチームのみんなに、今日のすばらしいレースに貢献してくれたことに感謝します。次戦のブダペストでのレースでは過去にもいい結果を残しています。またすばらしいレースができるのを楽しみにしています」クリスチャン・ホーナー (レッドブル・レーシング代表)「今日のマックスとチームのパフォーマンスは信じられないほどで、5回のピットスト...
全文を読む