ホンダは、今年のスーパーフォーミュラとSUPER GTで国内2冠を達成した山本尚貴を2019年シーズンのフリー走行に出走させることを検討している。2018年、山本尚貴はスーパーフォーミュラとSUPER GTで2冠を達成。同一年の国内トップ2冠制覇は14年ぶり、日本人選手としては15年ぶりの快挙。この成績により、F1のスーパーライセンス取得に必要な40点のスーパーライセンスポイントを満たすことになった。
F1ドライバーになるためには過去3年間で40点のスーパーライセンスポイントを取得しなければならない。また、2018年からはグランプリ週末に走行するためにもスーパーライセンスポイントの基準が設けられている。フリー走行に参加する場合、ドライバーはF2選手権で6戦以上レースをするか、過去3年間で25点のスーパーライセンスポイントを獲得しなければならなくなる。また、これまでの2日間で300kmのF1マシンでの走行、ルールの知識、そして、FIA国際スポーティングコードの付録L第5条“シングルシーター・フォーミュラカーで優れた能力を実証しなければならない”というFIAの判断に関する要件も必要となる。日本のレースにもスーパーライセンスポイントは付与されており、スーパーフォーミュラのチャンピオンには20ポイント、SUPER GTのチャンピオンには15ポイントが付与される。山本尚貴は2016年に3ポイント(スーパーフォーミュラ:7位)、2017年に3ポイント(スーパーフォーミュラ:9位、SUPER GT:7位)に加え、今年の国内2冠で35ポイントを追加し、合計で41ポイントとF1のスーパーライセンスポイント基準を満たすことになった。山本尚貴は、先週末のF1アブダビGPでヤス・マリーナ・サーキットを訪問。トロロッソ・ホンダのガレージで全セッションを観戦し、F1の現場の雰囲気を肌で感じた。ホンダのモータースポーツ部 部長を務める山本雅史は、2019年に山本尚貴をF1フリー走行に出走させることを検討していることを認めた。「(山本を)FP1でF1カーを走らせることができれば、彼はさらに成長できるかもしれません」と山本雅史はコメント。「レギュラードライバーになることだけが重要ではありません。F1の経験は彼にとって重要なものになるでしょう」「現在のF1カーでドライビングを経験している日本人ドライバーは松下(信治)しかいません。彼のドライビングはザウバーから非常に評価されていました。彼のフィードバックは非常に優れていました」山本雅史は、“いくつかの可能性を持つ”ために山本尚貴にF1スーパーライエンスを取得させるつもりであることを認めた。ホンダは、2019年からトロロッソに加え、レッドブルにもF1パワーユニット供給を開始。F1グリッドにホンダのF1エンジンを搭載したマシンが4台並ぶことになる。だが、レギュラードライバーに関しては、レッドブルがマックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリー、トロロッソがダニール・クビアトとアレクサンダー・アルボンを起用することがすでに決定している。山本雅史は、山本尚貴が将来F1でレースをする可能性があるとは考えているものの、いくつかの障害がかることはわかっていると語る。30歳の山本尚貴は、2016年にテレビ東京アナウンサーの狩野恵里と結婚し、2018年はシーズン前に第1子・第2子となる双子の娘が誕生している。山本尚貴のF1デビューの可能性について「それはゼロではないと思っています」と山本雅史はコメント。「彼が(2010年に)スーパーフォーミュラに来たときと同じような感覚かもしれませんが、今のところ話はしていません」「昨年、彼は結婚し、子供が生まれました。彼の生活環境は変化しています。彼の年齢についても懸念はあります」「ですが、彼は今、ホンダのナンバー1ドライバーです。まだ具体的には話していませんが、話したいと思っています」ホンダには、松下信治、福住仁嶺、牧野任祐という若手ドライバーがF1を目指しているが、まだF1スーパーライセンス取得に必要なポイントを獲得できていない。
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