ホンダが、マクラーレンに対して、今シーズン限りでの契約解消に合意し、2018年にトロ・ロッソにF1パワーユニットを供給することを伝えたと Marca が報じている。2015年にマクラーレンのワークスパートナーとしてF1復帰したホンダだが、3シーズン目を迎えた今年もマクラーレンが望んだF1パワーユニットを届けることができておらず、マクラーレンはホンダとの契約を解消し、2018年からルノーに変更すると報じられている。
F1イタリアGPでは、マクラーレン、ホンダ、ルノー、トロ・ロッソ&ルノーによる交渉が行われた。その後、ホンダはマクラーレンとの契約を解消することに合意し、2018年からトロ・ロッソにパワーユニットを供給することを決断。マクラーレンにその旨を伝えたという。発表は、F1シンガポールGPの舞台となるマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットに主役たちが集まる水曜日もしくは木曜日になされると同紙は伝えた。その後、早ければF1シンガポール週末中にマクラーレンとルノーの契約が発表され、来季の『マクラーレン・ルノー』『トロ・ロッソ・ホンダ』の誕生が明らかになるという。この動きを皮切りに、ドライバー側にもいくつか動きが出てくるとみられている。ホンダがトロ・ロッソへのF1パワーユニット供給を発表した時点で、すでに報じられているカルロス・サインツのルノー移籍が有効になる。ルノーは、トロ・ロッソとの契約解消の見返りとしてカルロス・サインツを獲得することになる。すでにカルロス・サインツはルノーでシート合わせを実施したとも報じられており、早ければ、それは今月末のF1マレーシアGPで実現する可能性もある。それはジョリオン・パーマーのシート喪失を意味する。カルロス・サインツのトロ・ロッソの後任は、レッドブルのジュニアドライバーであるピエール・ガスリーが務めるとされている。今年日本でスーパーフォーミュラに参戦中のピエール・ガスリーは「この2~3日で動きがあると思う。何かニュースがあるかもしれないね。次戦まで日にちはないけど、マレーシアで走ることができたらいいね」とオートポリスのレース後に述べていたが、後にF1マレーシアGPでのF1デビューについては「近いうちにトロ・ロッソで走れればいいとは言ったけど、マレーシアだとは言っていない。僕の言葉が歪められて伝わっている」と訂正している。マクラーレンとルノーの契約が発表されれば、フェルナンド・アロンソのチーム残留への交渉が進展することになる。ただし、マクラーレンはドライバーのサラリーの削減に動いており、ホンダからの1億ドル(約109億円)の財政支援を失ったことで、F1でもトップクラスの4000万ドル(約45億4100万円)の年俸を稼いでいるアロンソとの交渉は難航する可能性も報じられている。また、カルロス・サインツのルノー移籍が確定した場合、2018年にルノーでのF1復帰を目指していたロバート・クビサは他チームに機会を求めることになる。すでにクビサはルノーとの短期契約を解消したと報じられており、フェリペ・マッサとの契約をまだ発表していないウィリアムズ、もしくはザウバーとの交渉を進めていくとされている。また、ホンダのドライバー育成の一環としてマクラーレン・ホンダの開発ドライバーを務めていた松下信治はチームを離れることになり、トロ・ロッソ・ホンダでフリー走行の機会を得ることになるという。小林可夢偉以来となる日本人ドライバー誕生に期待がかかる松下信治だが、F1デビューに必要なスーパーライセンスポイントを獲得するには今年F2で3位以内に入る必要があり、2018年のレギュラーシート獲得は厳しいとみられている。