ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介は、“スペック3”導入以降のホンダのパワーユニットの発展率は「とても励みになっている」と語る。今年、ホンダはコンセプトを一新させた新型F1パワーユニットを導入したが、プレシーズンから信頼性トラブルが多発。前半戦はトラブルの解決に追われ、パフォーマンス向上は非常に限られたものとなった。
だが、F1オーストリアGPで最終スペックのICE(内燃エンジン)を導入して以降、ホンダは定期的にアップデートをもたらせるようになり、現在は“スペック4”の完成に取り組んでいる。先週末のF1イタリアGPでは“スペック3.7”と呼ぶパワーユニットを導入。フェルナンド・アロンソ、ストフェル・バンドーンともレースではリタイアとなったが、長谷川祐介はホンダにとって最近の前進はポジティブなものだと述べた。「オーストリアでスペック3を導入して以降、我々の発展率はとてもいいです」と長谷川祐介は RACER にコメント。「我々は各アップデートでパフォーマンス向上を確認できていますし、それはとても励みになっています」マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエもホンダの進歩を認める。「我々は追加の馬力を得ている。長谷川が(モンツァの土曜日に)言ったように、データ上では改善が見られているし、それには満足している」長谷川祐介は、今シーズン序盤の結果に対処するためにホンダが行った内部的な変更が最近の開発の改善が身を結んできていると考えている。「実際、最近は何も変わっていません。シーズン序盤の2月・3月に組織の変更を行い、量産部門や他のエリアから新しいメンバーが入りました。現在、新しい組織はうまく機能しており、より効率的になってきていると思います」マクラーレンとの決別が噂されるホンダだが、長谷川祐介は積極的なアプローチを変えていないと主張する。「彼らを説得するために良いパフォーマンスを生み出すために努力しています」だが、マクラーレンはルノーへのパワーユニット変更に動いており、その一方でホンダはトロ・ロッソとのパワーユニット契約を進めているとされ、F1シンガポールGP前には何らかの発表がなされると考えられている。
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