トロ・ロッソが2018年にホンダのF1エンジンを搭載するとの噂にレッドブル陣営はノーコメントを貫いている。ホンダは、2018年にザウバーにカスタマーパワーユニットを供給することになっていたが、先週、この話は流れた。マクラーレンは、ホンダとのパートナーシップを解消することを検討しているとされ、そうなるとホンダの供給先はなくなる。
ホンダは、他チームとF1エンジン契約について交渉していることを認めており、その有力候補としてトロ・ロッソが挙げられている。「我々はカスタマー供給契約の機会があるかどうかを確認するべく、フェラーリやメルセデスのようなワークスチーム以外と交渉しています」と本田技研工業のモータースポーツ部長を務める山本雅史はコメント。「来年にそれを達成できるようにスケジュールを合わせるのは厳しいですが、それでも我々は2018年にそうする機会を探そうとしています」噂では、F1ハンガリーテストが開催される1日(火)にハンガロリングでレッドブルとホンダの間にトロ・ロッソへのF1エンジン供給にむけた交渉が行われるとされている。マクラーレン・ホンダは、F1ハンガリーGPでフェルナンド・アロンソが6位、ストフェル・バンドーンが10位でフィニッシュして今シーズン初めてダブル入賞を達成。フェルナンド・アロンソはファステストラップを記録している。F1ハンガリーGPでの結果はトロ・ロッソとホンダの交渉に影響を与えるかと質問されたレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは「何の交渉のことだ?」とコメント。「噂についてコメントするつもりはないし、情報源について尋ねるつもりもない」「現在、ホンダについては多くの噂があると思うが、私には何も言うことはない」メルセデスとフェラーリは、マクラーレンへのカスタマーパワーユニットの供給に断りを入れており、ホンダが前進を示していることで、マクラーレンとホンダのパートナーシップが継続するとの見方も強まっている。マクラーレンは、2018年のエンジンパートナーについて9月までには決定することを示唆している。「技術的には12週間でエンジンを変更することはできる」とマクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエはコメント。「だが、エンジンに合わせた理想的なクルマを造りたければ、遅くとも9月には開始する必要がある」本田技研工業の山本雅史は「ホンダはマクラーレンとともにF1にとどまります。我々には契約があります」とコメント。また、ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介は「我々が望んでいるのはマクラーレンと続けることです」とコメント。「ここで一定の進歩を示すことができて嬉しく思っていますし、このことで我々の関係も改善されるでしょう」だが、マクラーレン・ホンダが今季初のダブル入賞を達成したハンガロリンクは、600m以上のストレートは1本のみ。スロットル全開率は低く、運動エネルギー回生を行えるブレーキングポイントが少ないためERSの影響も中程度とパワーユニットの性能差が出にくいサーキット。裏を返せば、マクラーレンのシャシー性能が優れていることが証明されたともいえる。仮にトロ・ロッソが2018年にホンダのエンジン搭載を決定した場合、ルノーの供給先に空きができる。その場合、マクラーレンがルノーのパワーユニットに鞍替えし、『マクラーレン・ルノー』が誕生するとも噂されている。
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