ホンダのF1プロジェクト総責任者を務める長谷川祐介は、本田技研工業で将来的なF1へのフルワークス参戦が議論されていることを明かした。長谷川祐介は、F1オーストリアGPの金曜記者会見にエリック・ブーリエ(マクラーレン)、トト・ヴォルフ(メルセデス)とともに参加。記者からの質問に答えた。会見ではホンダが将来的に“100%ホンダ”としてF1に参戦する可能性について質問が飛んだ。
この質問に対して、長谷川祐介は「もちろん、将来のことではありますが、我々がチームを持つというアイデアはあります」とホンダとしてF1へのフルワークス参戦の可能性について言及。「F1では何が起こるかわかりません。いずれにしろ、そのようなアイデアはあります」ホンダの長期的なプランについて質問された長谷川祐介は「もちろん、今シーズンは苦戦を強いられています。我々はフラストレーションを抱えていますし、エリックを失望させています。ですが、それがこの社会から身を引く理由にはなりません」とコメント。「ホンダはこの活動に大変コミットしていますし、我々はこの状況を挽回するためにあらゆる手を尽くしていきます」ホンダは2018年からザウバーにパワーユニットを供給する。それについて長谷川祐介は「もちろん、議論はスタートしてますが、実際の詳細については明かすことはできません。ただ、すでにコラボレーションはスタートしているとお伝えすることはできます」とコメント。また、契約時に交渉していたモニシャ・カルテンボーンがチーム代表を辞任したことについては「まず第一に私はモニシャが我々のコラボレーションをスタートしてくれたことに感謝しています」とコメント。「ですが、これはザウバーとホンダのコラボレーションであり、モニーシャがいなくなったことで影響があるとは思っていません。ザウバーの組織内についてコメントすることはできません」一部では、ホンダがウィリアムズにパワーユニットを供給するとの噂があったが、それについては「ウィリアムズとですか? いいえ、そのような議論はまったくありません。もちろん、ノーです」と完全に否定した。ホンダは、今週末のF1オーストリアGPに2台のクルマに“スペック3”パワーユニットを投入。金曜フリー走行ではまずまずの滑り出しを見せた。「まず何より、今日は何も問題が発生しなかったことに満足している。クルマは問題なく走行していますし、それはとても良いことです。金曜日のプラクティスを走っただけなので、クルマのパフォーマンスについて話すのはまだ早いですが、これまでのところは良さそうです」と長谷川祐介はコメント。金曜フリー走行ではフェルナンド・アロンソが8番手タイム、ストフェル・バンドーンが12番手タイムを記録したが、それはパワーユニットの改善によるものかとの質問に長谷川祐介は「そう思っていますが、もちろん、クルマのパフォーマンスはパワーユニットからだけではありません。シャシーもアップデートされていますし、サーキットの特性にもよります」とコメント。「だた、そうですね、データではエンジンという観点からもラップタイム改善に貢献していますし、それについてはとても満足しています」だが、マクラーレンのエリック・ブーリエは「エンジンの進化にすぎない」とコメント。「エンジンからもっと多くのパフォーマンスを引き出せるのは明らかであり、もっと速く走れるはずだ。もっとパワーを引き出し、もっとうまくエンジンを使えるはずだ。このエンジンは以前に使っていた他のエンジンと比較してパフォーマンスは前進している」「もちろん、すでにプロジェクトは3年が経っている。我々は望んでいた位置から非常に離れたところからすたーとした。今シーズンの序盤はちょっと後退したが、今は我々が望んでいる上位に返り咲くという活動において正しい道に戻ったと思う」マクラーレンがパワーユニットを変更する可能性について質問された長谷川祐介は「もちろん、我々はそのような準備はしていませんし、このコラボレーションを続けていきたいと思っています。現時点でそれ以外のストーリーはありません」とコメント。「もちろん、それは彼らのオプションですが、我々はそのようなオプションは検討していません。それが私の答えです。それについてはエリックに聞くべきです」ホンダはパワーユニット開発で正しい方向に進んでいるかとの質問には「そう言いたいですが、まだ時期尚早です。ただ、フロントランナーとのギャップはいくらか縮まっています。ですが、上位のレベルには十分に追いつけていません。まだもっと多くの試みが必要です」とコメント。「もちろん、我々はキャッチアップするために頑張っています。ですが、この段階でそれについて確信するのはとても難しいです。我々はそのためにベストを尽くしています。我々は今言えるのはそれだけです」