Honda Racing F1 Teamは、5月27日に、イギリス・ノーサンプトンシャー州ブラックリーにあるチームのファクトリーが、ISO14001 認証を取得したことを発表した。F1チームの取得は今回が初めてとなる。この取得は、チームが環境問題改善に向けて取り組む「earthdreams プロジェクト」を展開する中、チームの強い意志を示すものとなった。ISO14001 は環境マネジメントシステム(EMS)に関する国際規格。この認証の取得により、チームは、国際的な審査基準を満たす環境マネジメントシステムを構築できた。2005年からISO14001 認証取得に向け...
またチームは現在、earthdreams プロジェクトを通じ、F1開催国を中心に、環境問題改善に向け支援を行っている。earthdreams の取り組みに賛同いただいている他のプロジェクトも数多く、支援対象については、徹底したチームの審査を経て今後さらに増えていく予定だ。チームのオーナーであるHondaは、CO2 排出量削減に向け、世界規模の取り組みを行い優れた実績を誇っている。当時、どのメーカーも適応不可能といわれた米国マスキー法排ガス規制に、1972年、CVCCエンジンを搭載した「シビック」が、世界中のメーカーに先駆けて合格第1号となった。Hondaの燃料電池車FCXは、水素をエネルギー源とし、排出ガスはゼロという究極のエコカーだ。2007年末には新型車「FCXクラリティ」が発表された。現在、Honda車の85%はリサイクル可能である。ニック・フライ Honda Racing F1 Team CEO「ISO14001 認証をF1チームが取得することは簡単ではない。しかし、我々はearthdreams プロジェクトのパートナーと共に、環境に及ぼす影響をできる限り小さくする努力が重要であると考えている。今回の認証取得は小さな一歩にすぎず、これから改善していく余地はまだあるが、我々の努力がISOに認められ、この厳しい基準を1回でクリアできたことは非常に喜ばしいことだ。F1のような大きなプレッシャーの中でも、環境問題改善への取り組みを両立できることがわかった。一般的な認識と反して、レースやテストで使用する燃料はCO2 排出量に換算すると全体の約1%にすぎない。大部分はファクトリーでの電力消費、スタッフや機材の航空輸送によるものだ。そのため燃料消費を減らすといってもそう簡単にできることではないが、F1マシン開発に注ぎ込む技術や創意工夫を、CO2 排出量の削減に活かしていきたい」