ニック・ハイドフェルドが、F1シート喪失の危機に直面している。2006年にBMWがザウバーを買収してBMWザウバーとなったときから、レギュラードライバーを務めていたハイドフェルドだが、昨年限りでBMWがF1から撤退。チームはペーター・ザウバーによって買い戻された。ニック・ハイドフェルドは、来季のメルセデスGPのドライバー候補に挙げられていたが、メルセデスGPはミハエル・シューマッハの起用を決断。ハイドフェルドに残された現実的なオプションは、新生ザウバーとなっている。
しかし、最近の報道ではペーター・ザウバーが2人目のドライバーとして「チームに新しい知識」をもたらす「経験豊富な人物」と契約したことされており、ペドロ・デ・ラ・ロサが小林可夢偉のチームメイトになるとされている。ペーター・ザウバー自身も、どのドライバーがニック・ハイドフェルドではないと発言しているとの報道もある。ザウバーのシートが埋まれば、残りの空席はルノーの1つ、カンポスの1つ、USF1の2つだけとなる。ルノーは、ハイドフェルドの元チームメイトであるロバート・クビサと2010年の契約しており、元BMWザウバーコンビをそのまま起用するとは考えにくい。カンポスやUSF1のシートには持参金が必要だとされ、戦闘力が未知数の新チームをハイドフェルドが選択するかも疑問だ。まだ正式に契約が発表されていないハイメ・アグルエルスアリの代わりにトロ・ロッソに加入するという可能性も残されてはいるが、ハイドフェルドがF1シート喪失の危機に直面しているのは確かだろう。