2025年にフェラーリ移籍初年度の苦戦を経験したルイス・ハミルトンだが、2026年はスペインGPで移籍後初勝利を挙げるなど復調を印象づけている。その復活ぶりについて、かつてF1で活躍した名ドライバーたちが相次いで評価。ゲルハルト・ベルガーやデイモン・ヒルらは、苦しい時期を乗り越えて再び勝利をつかんだハミルトンの精神力と実力を高く称えている。
ベルガー「ハミルトンは苦境から這い上がった」元フェラーリドライバーのゲルハルト・ベルガーは、フェラーリでの初年度に苦戦したハミルトンが再び結果を残し始めたことを喜んでいる。「フェラーリが勝つ姿を見るだけで誰もがうれしい。フェラーリは特別な存在だからね」「ルイスのこともうれしかった。フェラーリに来て過去の成功を再現したいと思っていたが、技術的にもチームメイトとの比較でも非常に難しい状況に置かれてしまった」「昨年は本当に厳しい一年だった。しかし今は再び本来の調子を取り戻しつつあるように見える」ヨハンソン「2%の勝機を勝利へ変える能力」元F1ドライバーのステファン・ヨハンソンは、スペインGPでのハミルトンの勝利は、王者らしいレースマネジメントだったと分析する。「バルセロナでのレースは、まさにルイス・ハミルトンらしい勝利だった」「彼は金曜日の段階で勝てる可能性を感じ取り、レース前から勝つためのプランを組み立て、それを完璧に実行した」「正直、あの状況で勝てたドライバーは多くないと思う。しかし彼は何をすべきかを正確に理解し、それをやり切った。それこそがチャンピオンの証だ」「彼らは2%しかないチャンスでも勝利へ結び付けられる。マックス・フェルスタッペンも同じタイプのドライバーだ」フィッティパルディ「年齢への批判を実力で覆した」2度のF1王者エマーソン・フィッティパルディは、自身も年齢による批判を受けた経験があるとして、ハミルトンに共感を示した。「ルイスとフェラーリが速さを見せて本当にうれしかった。昨年の状況は、私自身がインディカーやF1で経験したことでもある」「年齢を重ねると『もう速く走れない』と言われ始める。昨年は誰もが『ルクレールに勝てない』『年を取り過ぎた』とルイスを批判していた」「しかし今の彼は絶好調だ。これはF1にとってもファンにとっても素晴らしいことだ」さらにフィッティパルディは、2026年型マシンの特性もハミルトン復活の要因になっていると考えている。「今年のマシンは小型化され、ダウンフォースも減っている。その分、速く走らせるのが難しくなり、ドライバーの才能がより際立つ」「ルイスはマシンコントロールとフィーリングに優れた非常に才能あるドライバーだ。フェラーリとの2年目を迎え、エンジニアやチームのやり方も完全に理解している」ヒル「競争心がハミルトンを支えている」1996年F1ワールドチャンピオンのデイモン・ヒルは、ハミルトンほどの競争心を持つ人物なら苦境から立ち直るのは当然だったと語る。「本物は最後には必ず浮かび上がってくる。彼を半分に切っても、中身はすべて『競争心』でできているような人間だ」「彼は何をやっても勝ちたいタイプで、簡単に諦めることなどない」ヒルは、ハミルトン自身がフェラーリの開発にも大きく関与したことが復活につながったと考えている。「彼は冬の間に懸命に努力し、自分が望むフェラーリのセットアップをチームへ伝えてきた」「フェラーリは莫大な金額を払って彼を獲得した。だから彼は『ただチームのやり方に従うだけではない。自分の求める方向へマシンを作ってもらう』という姿勢を貫いた」「彼の実績と影響力を最大限に活用した。それは当然のことだ」ブーツェン「敗北から学んだから再び勝てた」ティエリー・ブーツェンも、ハミルトンの復活劇を高く評価する一人だ。「ルイスはルイスだ。彼はトップにいるべきドライバーだ」「昨年は自信やマシン性能など様々な要素が重なって苦しんだ。しかしマシンが改善されれば、すぐに本来の力を発揮した」ブーツェンは、ニキ・ラウダの言葉を引用しながら、敗北が成長につながったと指摘する。「ニキ・ラウダは『勝っている時には何も学べない。負けた時こそ多くを学べる』と言っていた」「勝てない時こそ、自分自身やマシン、チームとの関係まで徹底的に分析し、改善を重ねる。そしてそれを乗り越えた時に再び勝利をつかめる」「常に勝ち続けることは不可能だ。だからこそ苦しい経験が次の成功につながるのである。」