フェラーリでの初勝利を飾ったルイス・ハミルトンについて、メルセデスF1のジョージ・ラッセルとチーム代表のトト・ヴォルフは、レース終盤のVSC(バーチャル・セーフティカー)がなくても勝利していたとの見方を示した。バルセロナ・カタルーニャGPでは、ハミルトンが3ストップ戦略を採用し、2ストップのメルセデス勢を追い上げる展開となったが、フェルナンド・アロンソのリタイアによるVSCが最後のピットストップを後押しした。
しかし、ライバル陣営であるメルセデスも、ハミルトンのペースはVSCの有無を超えて際立っていたと評価している。ラッセル「ハミルトンはどうなっても前に出ていた」バルセロナ・カタルーニャGPでは、ハミルトンがソフト→ハード→ミディアム→ハードの3ストップ戦略を選択。中盤スティントではジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリを1周あたり約2秒上回るペースで追い上げた。40周目にアロンソがバッテリートラブルでストップするとVSCが導入され、ハミルトンは41周目に最後のピットストップを消化。それでもラッセルとアントネッリの前でコースへ復帰し、そのまま独走態勢を築いた。レース後、ラッセルはVSCが有利に働いたことを認めつつも、勝者は変わらなかったとの見解を示した。「正直なところ、まだ詳しく分析しなければ分からない」「でもルイスは、結局のところ必ず前へ出てきたと思う。確かにVSCで僕たちを飛び越えたけれど、キミのリタイアによって僕も恩恵を受けた」「キミにとってもチームにとっても残念だった。HPP(メルセデス・ハイパフォーマンス・パワートレインズ)では最近いくつかトラブルが続いているので、それは大きな懸念事項だ」さらにラッセルは、VSCによる影響は限定的だったと説明した。「多少は影響したと思う。でも正直なところ、ルイスはVSCがなくても前に出ていたはずだ」「彼は復帰した時点で2秒ほどリードしていた。僕たちはおそらく1秒ほど失ったと思うけれど、彼は本当に素晴らしいペースだった」「最初のスティントでも、どこかでキミがルイスを抜くだろうと思ってテレビモニターを見ていた。でもルイスは完全にコントロールしていた」ヴォルフ代表も脱帽「抑え続けるのは難しかった」メルセデスF1代表のトト・ヴォルフも、VSCがなかった場合の仮定に大きな意味はないと語る。ハミルトンは最後のスティントでも最速クラスのペースを維持しており、たとえメルセデス勢が前でコースへ戻っていたとしても、防ぎ切るのは難しかったという。「断言はできないが、ルイスはその後も最速だった」「たとえ僕たちが彼の前でコースへ復帰していたとしても、後ろに抑え続けるのは非常に難しかっただろう」かつてハミルトンと長年タイトルを争ったヴォルフだけに、その評価には重みがある。フェラーリも勝利を確信していたフェラーリF1代表のフレデリック・バスールもまた、VSCがなくても結果は同じだったとの考えを示した。ハミルトンはレース終盤に新品同然のタイヤセットを残しており、仮にVSCがなかったとしても十分に勝負できる状況だったという。「我々は勝っていたと思う。差はもう少し小さかったかもしれないがね」「この状況でフレッシュタイヤを持っていたのは大きな強みだった」「確かに我々に有利な展開だったが、『もしこうだったら』という計算はしたくない。あの時点ですでに非常に良い状況にいたと思う」結果としてVSCはハミルトンの勝利をより確実なものにしたが、ライバルたちの見立てでは、その有無にかかわらずフェラーリのエースがバルセロナ・カタルーニャGPを制していた可能性は高かったようだ。
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