ルイス・ハミルトンは、予選中にマックス・フェルスタッペンの走行を妨害したとして、モナコGPでのペナルティ対象ドライバーの一人となった。テレビ映像では、予選Q1の序盤、ハミルトンがマセネ入口でスローペースで走行していたところに、ホットラップを開始したばかりのフェルスタッペンが高速で接近する様子が映し出された。フェルスタッペンは急遽ラインを変更してハミルトンを回避し、その直後の無線では苛立ちをあらわにしていた。
2人はその後Q2、Q3へと順調に進出し、それぞれP5(ハミルトン)、P4(フェルスタッペン)のグリッドポジションを獲得していたが、セッション後にスチュワードがこのインシデントを精査。ハミルトンに対して3グリッド降格処分を科す決定を下した。これにより、フェルスタッペン、レーシングブルズのアイザック・ハジャー、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソがそれぞれ1ポジションずつ繰り上がる形となり、ハミルトンは日曜決勝を7番手からスタートすることになる。今回の処分により、ハミルトンはオリバー・ベアマン、ランス・ストロールに続いて、モナコでのペナルティ対象者に加わることとなった。ハースのルーキーであるベアマンはフリー走行中の赤旗違反で10グリッド降格、ストロールはFP1でのルクレールとの接触と、予選での妨害により2件の処分を受けている。スチュワードの裁定文では以下のように説明されている。「44号車(ハミルトン)はターン2に差しかかる際、スローラップで走行し、レーシングラインから外れていた。そこへ1号車(フェルスタッペン)がプッシュラップで接近していた」「チームはまず、44号車のドライバーに対して『1号車がファストラップ中』と無線で伝えたが、次のメッセージで『1号車は減速中』と伝えた。しかし、実際には1号車は常にプッシュラップを走行しており、チームの伝えた『減速中』という情報は誤っていた」「この誤情報により44号車は加速してレーシングライン上に戻り、ターン3への進入時に1号車と重なる形になった。結果として、1号車はラインを外して対応せざるを得ず、プッシュラップを中断することになった」「我々は、1号車が同区間で以前に走ったラップのレーシングラインを精査した結果、44号車は実際にそのライン上に進入していたことを確認し、明確に妨害が成立したと判断した」「44号車のドライバーは、チームからの誤情報に対して直後に不満を示しており、聴聞の場でも誤った無線指示が原因であったことを認めた。しかしながら、過去の同様のケースに照らしても、無線による誤誘導が妨害の軽減理由にはならない」「よって、我々は標準的な3グリッド降格ペナルティを科す」
全文を読む