F1ワールドチャンピオンのルイス・ハミルトンは、「白人よりも黒人の方が人種差別的なケースがある」と発言した元F1最高責任者のバーニー・エクレストンに激怒。「無知で教養に欠ける」と激しく批判した。かつて40年にわたってF1を取り仕切ってきたバーニー・エクレストンは、最近CNNのインタビューで反人種的活動を行っているルイス・ハミルトンについて意見を求められた。
バーニー・エクレストンは、ルイス・ハミルトンの取り組みに関しては称賛しつつも、より多くの黒人の若者とモータースポーツ界に導くことを目指して設立された『Hamilton Commission』の影響力について疑問を呈していた。バーニー・エクレストンは「それがF1にとって何か良いことや悪いことにつながるとは思えない」とコメント。「少し考えるきっかけを与えるだけだ。その方が大事だね。それは皆同じだと思う。人々は少し考え、そして、『それで?』と思うだろう。『人は皆白人と同じではないし、黒人も同じように白人について考えるべきだろう』とね」「多くのケースにおいて、白人よりも黒人の方がより人種差別的だ」F1で唯一の黒人ドライバーであるルイス・ハミルトンは、このバーニー・エクレストンの発言に強く反発した。「こんなコメントを読むことになるなんて悲しくし、失望している」とルイス・ハミルトンはInsragramにコメント。「バーニーはこの競技の部外者であり世代も違う。でも、これは絶対に間違っている。無知で教養に欠けるコメントであり、僕たちの社会において本当の意味で平等が実現するまでどれだけ遠い道のりであるかを示している」さらにルイス・ハミルトンは、バーニー・エクレストンのような人物のリーダーシップをとっていたF1が、不平等や人種差別的な嫌がらせに対し、何も行動できなかったのは"必然"だったと語り、"トップから始めなけれならない"と述べた。「これでよくわかった。僕たちのスポーツをもっと多様にしようという声が上がることもなく、何もなされず、キャリアを通して僕が受け続けてきた人種差別的な迫害に対処しようとしなかったのは必然だった」とルイス・ハミルトンは続ける。「何10年もスポーツを運営してきた人物が、僕たち黒人が毎日直面している根深い問題についてここまで理解が欠けているとすれば、、彼の下で働く人々に理解など期待できるはずがない。まずトップから始めなければならない」「今、それを変える時が来た。僕は誰にでも平等な機会がある包括的な未来をこのスポーツに作るためプッシュをやめない。マイノリティーに平等な機会を与える世界を作っていく。僕はそれを持たない人のために自分の声を使い、このスポーツでチャンスを与えられることのない光の当たらない人々のために話をしていく」F1自体もバーニー・エクレストンはすでにF1内で役割を持たない無関係な人物であることを強調した。「人種差別と不平等に取り組むための団結が必要なときに、我々はバーニー・エクレストンのF1や社会にふさわしくない発言に完全に異議を唱える」とF1は声明で述べた。「エクレストン氏は、2017年に我々の組織を去って以来、F1で何の役割も果たしていない。彼の名誉会長という肩書は尊称的なものであり、2020年1月に失効している」先週、F1は、新型コロナウイルスおよび人種差別と不平等に取り組むためのイニシアチブである『#WeRaceAsOne』を発表。この活動には全チームが賛同し、F1マシンには虹のロゴと八シュタグが掲載される。ただ、バーニー・エクレストンは人種的不平等に立ち上がる必要性について「肌の色に関係なく、私はあらゆる不平等に反対する。何かを始めることが重要だ」とも語っている。「人々の態度はそう簡単には変わらない。まずは学校で教えるべきだ。こういうことを考えずに大きくなれるようね。あちこちで彫像を引きずり倒すのは完全にばかげた行為だ。そのまま残しておくべきだった。学校から子どもたちを連れていき、なぜそれが建てられたのか、彼らが何をしたのかを教えるべきだ」
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