メルセデスのルイス・ハミルトンは、F1首脳陣は新たな会場をカレンダーに加える前にドライバーの意見を取り入れるべきだと考えている。5度のF1ワールドチャンピオンであるルイス・ハミルトンは、F1がカレンダーに新たな会場を加えることを支持していはいるが、スリリングなバトルを展開するという点では、すべてのサーキットに同じようなポテンシャルがあるわけではないと考えている。
代表的な例として、ポール・リカールで行われた今年のF1フランスGPは、F1史上で最も退屈なレースだったと批判されたが、その後のF1オーストリアGPとF1イギリスGPでは順位が激しく入れ替わるエキサイティングなレースが展開された。オーバーテイクに関しては、F1マシンの空力レギュレーションといった要素も絡んでいるが、ルイス・ハミルトンは、良いサーキットでは良いレースが生み出されるものであり、良い会場を判断するためにドライバー以上の存在はいないと主張する。「この競技の歴史を見れば、ドライバーがサーキットのことに助言するという点で決定権を持ったことはない。でも、どのコースでオーバーテイクができて、どこではできないかを誰よりもよく知っているのは僕たちドライバーだ」とルイス・ハミルトンはコメント。「誰が選定しているのかはわからないけど、今後選ばれたサーキットのなかには、素晴らしいレースにはならないかもしれない場所もある」「いつもどのコースが気に入っているかを質問される。シルバーストンはそのうちのひとつだ。他のマシンに追従することができるからね。高速で走れるところがスペクタクルだ」「追従することができず、電車のように連なって走るしかない場所もある。レースを開催するためだけに選ばれた国と素晴らしいレースができる場所とではどっちがいいと思う?」「後者を選ぶのであれば、それぞれの国に対して異なるオプションを考えていく必要がある」2020年のF1世界選手権では35年ぶりにザントフォールトでF1オランダGPが復活することが決定している。ザントフォールトにはF1において多くの歴史があるが、コース上のバトルという点では懸念の声も上がっている。ルイス・ハミルトンは、将来的にグランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)が、会場の選定や既存サーキットのレイアウト調整に関与できることを望んでいると語る。「アドバイスをするという部分で僕たちは関わることができる。F1をより良くしていくために僕たちはいる」「様々な国でグランプリを開催できることを嬉しく思っている。だた、いくつかのサーキットで何かを変更する場合や、その国の中で異なるサーキットを使うという点でオープンな姿勢でいてくれるなら、僕たちはそういった部分にも目を向けるべきだ」