ルイス・ハミルトンは、2016年F1シーズンを切り抜けられうよう持ちエンジンを増やすためにグランプリで2重でペナルティを受けることを提案した。新品エンジンを投入したF1オーストリアGPでルイス・ハミルトンのターボチャージャーとMGU-Hは5基に達しており、シーズン中に10グリッド降格ペナルティを受けることはほぼ回避不可能となっている。
2015年中盤に規約が変更されたことで、複数のペナルティを受けてもドライバーはグリッド後方に落ちるだけとなっており、メルセデスは、シーズン末まで予備のコンポーネントを作るためにルイス・ハミルトンに2台の新品パワーユニットを手渡すことを選ぶ可能性がある。不利な点は、2台のエンジンを投入した場合、ライバルのニコ・ロズベルグが得るであろう今後の信頼性の改善やアップグレードを得られないこと。メルセデスは、夏休み前にダブルエンジン交換を決定することはないとみられている「自分自身で思いついた解決策だ」とルイス・ハミルトンは“コンパーネントプール計画”について述べた。「間違いなくやる可能性があることだ」「もう一基のエンジンを使うことになるのは間違いない。いつそれを使うのかが問題だ」故障によって投入を強いられることがなければ、ルイス・ハミルトンはオーバーテイクのチャンスが大きいサーキットを好むだろう。「ストラテジストは全てのレースを調べて、『今回のトラックはオーバーテイクがしやすい』と言ってくれるはずだ」とルイス・ハミルトンは語る。「最終的には僕の決定になる。最後尾から最高の仕事が出来る場所を実際に知っているのは僕だからね」「なんで、それを決定する上で戦略的でなければならない。でも、そうだね、同時に2〜3基のエンジンを得られればうれしいね」「どこかの段階で何台か新品エンジンを得られればいいけど、今走っているエンジンが、出来る限り長く持ってくれることを願っている」スパやモンツァが良い選択になるかと質問されたルイス・ハミルトンは「それらは僕の考えにはないけど、良いサーキットだね」とコメント。メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフは、ペナルティの可能性は認めつつも、2台のパワーユニットを使う計画が必要ないことを願っている。「状況に応じて様々なシナリオがある。ペナルティを受けなければならないというのは既知の事実ではないが、可能性はかなり高い」とトト・ヴォルフはコメント。「当初の計画はシーズンを4基で乗り切ることだった。現在、それは5基になっている」「6基目が必要ならば、そうするだろう。過去数レースでは不運があったからね。だが、それで十分だと思う」