7月29日(水)、静岡県の富士スピードウェイでTGRハースF1チームによるTPC(Testing of Previous Cars/旧型車テスト)が終了した。2日間にわたるテスト最終日は好天に恵まれ、坪井翔と福住仁嶺が2025年型マシン『VF-25』で精力的に周回を重ねた。初日は雨の影響で走行時間が制限されたものの、2日目は朝からドライコンディションとなり、気温・路面温度ともに高い厳しい環境のなかでプログラムを消化。
2日間合計では100周を大きく超える周回を重ね、2025年マシンのデータ収集とドライバー評価を進めた。坪井翔が2日間最速タイムを記録午前のセッション3では、前半2時間を坪井、後半2時間を福住が担当。両者ともハードタイヤで走行を開始した後、新品ミディアムタイヤを装着してアタックランを実施した。坪井はセットアップ変更やスタート練習を挟みながら徐々にタイムを更新し、最終的に1分17秒914を記録。このタイムが2日間を通じた最速タイムとなった。一方、福住は最高速336.449km/hを記録しながら1分18秒442をマーク。セクター1では坪井のベストを上回る区間タイムを刻んだものの、高い路面温度の影響もあってセクター2、3でタイムを伸ばし切れず、コンマ5秒差となった。今回のベストタイムは昨年のTPCで記録された1分17秒470には届かなかったが、今年は真夏の高温コンディションでタイムが出にくい状況だったことが大きく影響した。坪井も「コンディションが整っていれば1分16秒台には十分入れた」と手応えを語っている。また、今回のテストではタイヤ温度の管理も大きな課題となった。アタックラップ後はピットでブロワーを使用してタイヤを冷却し、「プッシュラップ→インラップ→アウトラップ→プッシュラップ」というサイクルで走行を繰り返した。坪井は「リヤタイヤの温度管理が難しく、冷却しないと2周目はフロントとリヤのバランスがまったく合わずアタックできなかった」と振り返っている。午後はロングランでレースシミュレーション午後の最終セッション4は14時30分から17時まで実施され、午前とは異なりロングランを中心としたプログラムが組まれた。最初にステアリングを握った福住は、アタックランを終えた後に18周の連続走行を実施。1分24秒前後の安定したペースを維持し、レース距離を想定した走行データを収集した。その後、シート交換などを経て坪井が走行を担当。1分19秒133を記録した後、連続走行へ移行し、前半は1分23秒台、終盤は1分22秒台を中心に周回を重ねた。午後だけで2人は合計48周を走破し、2日間にわたるTPCの全プログラムを完了した。F1マシンで得た大きな収穫2日間のテストでは、スーパーGTとスーパーフォーミュラで活躍する坪井、そして今回がF1マシン初ドライブとなった福住が、ともに多くの経験を積んだ。福住は「1分18秒2くらいまでは見えていた。もう少しまとめられた部分はあったが、この暑いコンディションの中で攻め切れたので悔いはない」と振り返った。一方の坪井も、高温コンディションでもF1マシンのポテンシャルを十分に引き出せたことに手応えを示しており、日本を代表するトップドライバー2人にとって充実した2日間となった。なお、今回のTPCには2日間合計で7900人が来場。昨年から127.4%増となる観客が富士スピードウェイを訪れ、日本で近代F1マシンが走る貴重な機会を楽しんだ。ハースF1チームのTPCは、日本のモータースポーツファンの関心の高さを改めて示すイベントとなった。
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