ハースF1チームの小松礼雄代表が、ルーキーのオリバー・ベアマンについて「毎レースごとに成長している」と称賛した。ベアマンの速さと人間性、そしてチーム内での成熟ぶりに強い手応えを感じているという。前戦アメリカGPでは角田裕毅(レッドブル)との接触未遂も話題となったが、小松代表はその後の冷静な対応とレース運びを高く評価。会見では平川亮の仕事ぶりにも言及し、オースティンで投入したアップデートの成果や、激化する中団争いへの姿勢についても語った。
オリバー・ベアマンの成長と一貫性「オリバーは本当に自然に速いドライバーです。今は週末全体の組み立てを学んでいる段階ですね。中団ではマージンが非常に小さいので、週末の90%をうまく進めても、どこかで1つミスをすると結果を逃してしまいます。バクーではFP1からFP3まで素晴らしい速さを見せたのに、Q2でほんの少し外してしまっていました。そうした細部が結果を左右する世界です」「まだルーキーですが、スピードは間違いなくある。必要なのは、その速さを育て、正しいタイミングでピークを出せるようになること。つまり一貫性ですね。そこを重点的に取り組んでいます。シンガポールでは見事に週末をまとめましたし、オースティンでも波はありましたが、予選とレースの両方で力強い走りを見せました。進歩のペースには本当に感心しています」と評価した。ベアマンの成長と人間性「彼を初めて走らせたのは2年前のメキシコで、当時はまだ18歳でした。あの年齢であれほど落ち着いた対応ができるとは思っていませんでした。チームの求めていることを理解し、すぐに吸収していました。今ではそのすべての要素を高いレベルでこなしています。どの面でも進歩していますし、チーム内での関係構築も非常にうまくやっています。フィードバックにも前向きで、難しい話題にも真摯に向き合える。チームプレイヤーとしても優れていますし、本当に毎レースごとに成長していると感じます」と語った。平川亮への評価「今年ずっと一緒に取り組んできていて、来年に向けたプログラムも準備しています。彼は大局的な目的をよく理解していて、とてもプロフェッショナルな仕事をしてくれています。これからもその成長を見守っていきたいと思います」と語った。アップデートの成果とマシンの改善「オースティンで投入したアップデートは、見た限りでは期待通りに機能していました。大きな変化ではないですが、中団の戦いは非常に接近しています。ジョナサン(ウィートリー代表/ザウバー)が良い仕事をしていて、ほんの0.1秒見つけるだけでもQ1敗退とQ3進出の差になるような世界です。P18とP8の間に大きな差はありません。だからこそ、確実に前進できているか確認したくて、まず1台だけに投入してFP1で比較しました。データ的にも正しい方向に進んでいると思います」「ドライバーからのフィードバックでは、低速から高速域のバランスが改善されていました。これまでは高速域で少し不安定で、低速ではアンダーステアが強い傾向がありましたが、その差を少し詰められました。全体的なグリップも向上していて、少しずつでもドライバーが自信を持てる方向に動いています」と述べた。コンストラクターズ選手権への取り組み「残り5戦で11ポイント差を追うのは簡単ではありません。みんな本当に競争力がありますし、ジョナサンたちは素晴らしい仕事をしています。ニコ(ヒュルケンベルグ)も直近の数戦はすごく良いパフォーマンスを見せていますし、ガブリエル(ボルトレト)も印象的なルーキーです。スポーツとしてとても良いことだと思います」「私たちとしては、『あと5戦でここで何点取る』といったことを考えるよりも、ただ目の前の仕事に集中することです。FP1でドライバーとクルマから最大限を引き出し、FP2に向けてベストな状態を作る。それを積み重ねるだけです。結果は結果としてついてくるものです。コンストラクターズで順位を上げられるかどうかは自分たちでコントロールできません。だからこそ、ドライバーとクルマを最大限に引き出し、チームとしてベストを尽くすことに集中します。そうすれば、結果は自然についてくると思います」と締めくくった。
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