ザウバーF1チームは、周冠宇がヒンウィルチームで過ごした3年間の後、2024年シーズン終了をもってチームを離れることを発表した。周は、2022年のバーレーングランプリでデビューを果たし、そのデビュー戦でポイントを獲得してF1界に衝撃を与え、2022年シーズンには6位というチームにとって10年ぶりの好成績を収めるなど、エキサイティングな道のりを歩んできた。
ルーキーとして加入した周冠宇は、チームメイトのバルテリ・ボッタスと強力なパートナーシップを築き、経験と若さゆえの熱意をミックスした。周の学習曲線は急勾配だったが、上海出身のドライバーは急速に成長し、信頼性の高いパフォーマー、そして攻撃的な走りが得意なエキサイティングなドライバーとしての地位を確立した。チーム在籍中のハイライトのなかでも、周冠宇にとって最も印象深い瞬間は、2024年の母国グランプリ、中国GPに初出場したことだった。大勢の観客の前で、彼は最高のパフォーマンスを披露し、スプリントレースではポイント獲得まであと一歩のところまで迫り、メインイベントでは最終コーナーまで激しく戦った。メインスタンドの観客からスタンディングオベーションで称えられ、本当に感動的な瞬間となった。周冠宇はトラック外でもインパクトを残した。彼のスタイル感覚とファッションへの情熱は、F1スタイルガイドの参考となった。彼は、このスポーツに若くスタイリッシュな観客を惹きつけるのに貢献し、たちまち既存のファンと新しいファンの両方にとってのアイコンとなった。2024年シーズンはまだ3レースが残っており、周冠宇とチームは、この旅を可能な限り最高の形で締めくくるために全力を尽くすつもりだ。やるべき仕事があり、チームの全員が最善の方法でそれをやり遂げる決意をしている。周冠宇「今シーズン限りでチームを離れることになるが、シーズンを素晴らしい形で終えることに全力を尽くす。F1でチャンスをくれたチームには感謝している。F1はルーキーにとって決して簡単なスポーツではないが、チームは3年間で僕を大きく成長させてくれた。今シーズン序盤の中国グランプリは間違いなくハイライトだったが、表舞台でも裏方でも、この3年間で経験した多くの瞬間が忘れられない。僕はこれから自分のキャリアの次のステップに集中していく。まだ戦いは終わっていないし、成長を続けていきたい」マッティア・ビノット(ザウバー・モータースポーツAG COO兼CTO)「この3年間、我々のチームはコース上でもコース外でも大きく成長し、バルテリと周冠宇の両ドライバーがその進歩に大きな役割を果たしてきた。しかし、周冠宇との話し合いを経て、我々は今後は別々の道を歩むことを決断した。我々は、周がチームに加わった当初から今日に至るまで、常に全力で取り組んできたことに感謝している。デビュー戦でポイントを獲得し、2022年にチームを6位入賞に導いたことは、彼の決意表明だった。しかし、コース上での活躍やファクトリーでの貢献も同様だった。今シーズンを3つの力強いレースで締めくくり、チームと周とともに歩んできた道のりを祝いたい。そして、チームと周は、ラスベガス、ドーハ、アブダビで全力を尽くすことを誓っている」