ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、F1メキシコGP決勝で複数のドライバーがコーナーをショートカットしながら順位を維持したことに対し、「理解できない」とFIAの対応を強く批判した。スタート直後、ターン1〜3で5台がコースを外れたにもかかわらず、裁定はなし。ラッセルは「明らかに間違ったブレーキングをしたのに罰がない」と怒りをあらわにした。
「3人のドライバーがコーナーをカットしてポジションを保っているのが理解できない。ブレーキを遅らせてミスしたのに、そのままショートカットして何の罰もない。正直、かなり腹が立った」とラッセルはレース後に語った。さらに、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とのバトル中にも同様のシーンがあり、不公平だと指摘した。「マックスはターン4でコースを外れて戻ってきた。僕にはどうしようもなかったけど、あれもペナルティになるべきだった」とラッセルは続けた。「ここは芝生だからこそ“逃げ道”がある。グラベルだったら誰も行かない。ほぼ毎年こういうことが起きている。カルロスが去年、シャルルがその前、ルイスは10年前も同じだ。もう“芝刈りレース”みたいだよ」と皮肉を込めて語った。「正しく走った者が損をする」最終的にラッセルは7位でフィニッシュ。メルセデス勢は苦しい週末となったが、本人は「根本的なルール運用の見直しが必要だ」と主張した。「外側から仕掛けても、うまくいけば抜けるし、ダメでも芝を突っ切って同じ位置に戻れる。これじゃレースにならない。ルクレールは全く曲がる気がなかったし、フェルスタッペンもリスク全開だった。正しく走った僕たちが一番損をしている」とラッセルは締めくくった。安全性よりも公平性の議論へメキシコの第1コーナーは、ランオフが芝生と舗装エリアで構成されており、ドライバーが“逃げられる”設計になっている。これにより事故リスクは低減するが、ラッセルの指摘通り「誤っても罰を受けない環境」が競技の公平性を損ねているとの声も多い。FIAはレース後の声明で特別な調査を示唆しておらず、再発防止策が求められている。
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