ジョージ・ラッセルは、2025年F1イギリスGPでの苦しい戦いの後、自身の戦略判断について「リスクを取りすぎた」と認め、メルセデスのマシンにペースがない現状では「安全策を取る余裕はない」と語った。シルバーストンの決勝は、開始前から不安定な天候に翻弄される展開となり、ラッセルは他の4人のドライバーとともにフォーメーションラップ中にピットインしてスリックタイヤへ交換。
「最初の判断は50対50の賭けだった」とラッセルはSky Sportsに語った。「25分間の雨が予報されていたけど、最初の15分はバーチャルセーフティカー(VSC)で全然走れなかった。レースが再開してからはインターよりも1周5秒は速かったけど、すぐにまた雨が来てしまった。結果論として言うのは簡単だけど、リスクを取りすぎたのは確かだ」「最後のピットストップもたぶん早すぎた。あれは自分の判断ミスだ。ハードタイヤが出てくるとは思わなかったし、全体的にひどい1日だった。ホームグランプリでこんな日になるのは本当に辛い」慎重な戦略を取っていれば、もっと良い結果になっていた可能性もあったと認める。「保守的に走っていれば3位、4位、5位のどれかにはなれていたと思う。でも僕らが狙っていたのはそこじゃなかった」予選では4番グリッドを獲得したものの、決勝ではペース不足に悩まされたメルセデス。ラッセルは、十分なマシン性能があれば安全策を選ぶこともできるが、今のメルセデスにはそれが難しいと説明した。「サーキットは6kmあって、ある場所では完全にドライでも、2コーナー先ではビショビショだったりする。そういう濡れたところでは5秒も遅くなるけど、他の区間では5秒速いんだ。簡単な判断じゃない」「安全策を取れば、それなりの結果になる。でも今回は思い切った賭けに出た」「もし最初にVSCがなかったら、スリック勢がトップに立って、あれは素晴らしい決断だったと言われていたはず。でも、実際には10分くらいしかドライで走れなかった」「本当に悔しいけど、こういう結果になってしまった。マシンの速さがあれば安全策でも十分だけど、今は全体が接戦だから、良い結果が欲しければリスクを取るしかない」「ピットに入るのも、入らずに走り続けるのも、どちらも勇気がいるんだ」