日産自動車は19日、ABB FIAフォーミュラE選手権シーズン5へ向けて日産e.damsチームが、スペイン・バレンシアにあるサーキット・リカルド・トルモで開催された公式プレシーズンテストの全日程を完了したと発表した。日産e.damsチームは、最終日午前のセッションで初めてウエットコンディションのテストを経験した。そして、このスペインのサーキットにおいて、3日間で合計247ラップを走破し、パワートレインとエネルギーマネジメントの開発を進めた。
本プレシーズンテストは、フォーミュラE選手権に参戦する全チームが初めて一堂に会し、シーズン5から採用される新しいバッテリー、駆動系、空力特性を備えた"Gen 2"マシンを走らせる機会となった。2015-16のシーズン2でシリーズチャンピオンを獲得し、最多勝利数、最多ポールポジション回数、最多ファステストラップ記録など主要レコードのほとんどを保持するセバスチャン・ブエミは、この最終日にフォーミュラ・ルノー3.5の元チャンピオンで、F1の育成ドライバーでもあるオリバー・ローランドとともに、日産e.damsチームのマシンをドライブした。日産e.damsチームにとってプレシーズンテストのハイライトとなったのは、ブエミのドライブにより水曜午後のセッションで初めてタイムシートの最上位を記録したことだった。最終的にブエミは同セッションで3番手のタイムをマークした。また、ブエミのこのタイムにより、日産e.damsチームは今回のテストの全日程を通じて、参戦する全チームの中で4番手であることも示した。日本の自動車メーカーとして初めてフォーミュラE選手権へ参戦する日産は、電気自動車「日産リーフ」を2010年の発売以降、世界で36万5,000台以上を販売している。そして、日産にとってフォーミュラE選手権は、クルマがエネルギーをどのように使い、どのように走るのか、そして社会とどのようにつながっていくのかということを再定義し、日産車をより魅力的なクルマにするアプローチ『ニッサン インテリジェント モビリティ』の優れたパフォーマンスを示す絶好の舞台となる。今後、日産e.damsチームは12月15日にサウジアラビアのリヤドで開催される開幕戦までに残された57日間、オフトラックでの開発作業を続けていく。セバスチャン・ブエミ「今回のテストは日産e.damsチームがライバルチームと比較してどのくらいのポジションにいるかを知る最初の機会であると同時にパワートレインを開発する上で重要な一週間となりました。今はこのチームと迎える最初のレースをとても楽しみにしています。今週はシステムをテストし、すべてがうまく機能しているか確認する重要なセッションでした。そのためにマシンを限界まで追い込んでみることが不可欠だったのです。また、今日の午前には"Gen 2"マシンで初めてウエットコンディションでの走行を経験することができました。フォーミュラE選手権ではこれまでウエットでのレース経験がなかったのですが、雨中でのマシンの挙動を知っておくことはとても重要なことでした。私たちは今、リヤドでのレースデビューの日をとても楽しみにしています」ジャンポール・ドリオ (日産e.damsチーム監督)「バレンシアでの3日間のテストが示したのは、私たちが参戦するチャンピオンシップはとても競争の激しいものになるだろうということでした。多くのチームとドライバーたちが素晴らしいポテンシャルを示しましたが、セバスチャン・ブエミも日産e.damsチームが非常に強力なコンテンダーであることも証明しました。今週のテストではアレックス・アルボンがステアリングを握ることができませんでしたが、できるだけ早くこの問題を乗り越えて、12月中旬のサウジアラビアでの開幕戦に向けた準備を整えたいと思っています」マイケル・カルカモ (日産グローバル・モータースポーツ・ディレクター)「フォーミュラE選手権に参戦する日本初のメーカーとして、非常に特別な一週間になりました。他のマニュファクチャラーやチームと一緒にテストができたのはとても素晴らしいことで、一層チャンピオンシップへの期待が高まっています。今回の私たちの目標はラップタイムを追うことではなく、セットアップを含めマシンが特定の条件下でどのような挙動を見せるかを確認することでした。なぜなら、シーズン5で経験することになる市街地の路面と比較して、サーキットの路面は非常にスムースだからです。そして、使用可能なエネルギーから最大限のパフォーマンスを引き出すために、駆動系とエネルギーマネジメントの開発に集中することがとても重要でした。日産は電気自動車の開発で長い歴史があります。このフォーミュラEでの活動は『ニッサン インテリジェント モビリティ』の取り組みについて、世界中のお客さまとコミュニケーションする絶好の機会となるでしょう」
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