電気自動車のレースシリーズ、FIAフォーミュラE選手権の第3戦がチリのサンティアゴで開催された。フォーミュラE史上もっとも高い気温の中で開催されたこのレースで、Team Audi Sport ABT Schaeffler(チーム アウディ スポーツ アプト シェフラー)が、今季初の表彰台を獲得した。さらに、アウディカスタマーチーム Envision Virgin Racing(エンヴィジョン ヴァージン レーシング)のサム・バードが、Audi e-tron FE05で初優勝を果たした。
アウディと技術パートナーのシェフラーが共同開発したモータージェネレーターユニット(MGU)を搭載した新しい電気自動車のレーシングカーは、非常に難しいコンディションの中で、レースの序盤から素晴らしい走りを展開した。ルーカス・ディ・グラッシは、サンティアゴのオヒギンズパークに設営された市街地サーキットで行われた最初のフリー走行で、最速タイムを記録した。Team Audi Sport ABT Schaefflerの両ドライバーは、トップ6のドライバーで争われる最終予選のスーパーポールに進出。ディ・グラッシはキャリア最高の走りを見せ、2番手のドライバーと0.526秒の大差をつけてベストラップを叩き出した。決勝レースは、最高気温が37℃にも達する炎天下で開催され、3番グリッドからスタートしたダニエル・アプトが3位でチェッカーを受け、ディフェンディングチャンピオンのTeam Audi Sport ABT Schaefflerに2018/2019シーズン初の表彰台をもたらした。さらに、アプトはファステストラップを記録して、追加のポイントも獲得した。ダニエル・アプトは「信じられないほどタフなレースでした。厳しい暑さの中でレースが行われました。しかし、レースでは冷静さを保つことが重要です。私たちは、今日それを実行しました。それによって、チームにとって貴重なシーズン初の表彰台を獲得することができました。チームは、今日の結果以上にハードワークを続けてきました。僕たちは進化しており、正しい道を進んでいます。これからも勝利を目指して戦い続けます」とコメント。ルーカス・ディ・グラッシは、グループ予選におけるルール違反のため、ポールポジションから最終グリッドに降格されてしまいる。それでも決勝レースでは、22番グリッドから9番手まで一気にポジションを上げたが、衝突によるタイムペナルティにより、最終的な順位は12位となった。Team Audi Sport ABT Schaeffler代表のアラン・マクニッシュは「今日は、非常に厳しいコンディションにより、多くのドライバーがミスを犯していました。ダニエルをとても誇りに思います。予選では、困難な状況の中で力強いパフォーマンスを見せ、レースでは最初から最後までクリーンなレースを展開して、シーズン初の表彰台をチームにもたらしてくれました。素晴らしいレースでした!予選で問題が発生したルーカスは、最終グリッドに降格されて、残念ながら今回はポイントを獲得することができませんでした」と述べた。今回のレースでは、アウディカスタマーチーム Envision Virgin Racingのサム・バードが優勝を果たした。バードは、トップを走行していた日産のセバスチャン・ブエミのミスを誘い、マヒンドラレーシングに所属する元DTMチャンピオンのパスカル・ウェーレインの追撃を抑えて、このレースを制した。バードのチームメイトのロビン・フラインスは、Audi e-tron FE05の力強いパフォーマンスにより、5位でチェッカーを受けた。アウディ モータースポーツ代表のディーター・ガスは「厳しい暑さの中、波乱の展開となった今日のレースで、アウディは素晴らしい結果を残しました。カスタマーチームのEnvision Virgin Racingが初優勝を飾り、ファクトリー チームも今季初の表彰台を獲得することができました。ルーカスのポールポジションが、わずかな違反によって剥奪されてしまったことは残念でした。ポールからスタートしていたら、彼は間違いなく優勝争いをしていたでしょう。今週末は、次戦のメキシコにつながる、数多くの収穫を得ることができました」と述べた。フォーミュラEの第4戦は、2月16日にメキシコシティで開催される。昨年のメキシコでは、アプトがフォーミュラEで初優勝を飾り、チームタイトル獲得する原動力となった。関連:【動画】 フォーミュラE 第3戦 サンティアゴE-Prix 決勝ハイライト
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