中国の自動車大手BYDが、F1参戦の可能性について初めて一定の含みを持たせた。一方で、現時点では具体的なF1プロジェクトは存在せず、参戦する場合でも技術的な価値が前提になるとの考えを強調している。近年、BYDはF1の12番目のチーム候補として名前が挙がっており、元レッドブル代表のクリスチャン・ホーナーが関与する可能性も噂されている。しかし同社幹部は、現段階ではそうした計画を否定した。
現時点でF1計画は存在せずグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでスペインメディア『Soy Motor』などの取材に応じたBYDのステラ・リー副会長兼エグゼクティブ・バイスプレジデントは、F1参戦計画について次のように語った。「いいえ、そのようなプロジェクトはありません」「計画はないと申し上げました。夢はいつもありますが、具体的な予定は何もありません」現時点ではF1への参戦プロジェクトは存在せず、あくまで将来的な可能性にとどまることを明確にした。「ステッカーを貼るだけでは参戦しない」一方、BYDの特別顧問を務めるアルフレド・アルタヴィッラは、F1への関心は技術面でのメリットがある場合に限られると説明した。「我々の技術がF1の目的に役立つ場合に限って、F1を検討します」「マシンの横にステッカーを貼るためだけにF1へ参戦することは決してありません」「その資金を投資する方法は他にもあります」BYDは単なるスポンサー活動ではなく、自社の技術力を生かせるプロジェクトでなければ参戦する考えはないという姿勢を示している。2030年以降の新エンジン規則が判断材料にアルタヴィッラは、今後のF1エンジン規則次第では考え方が変わる可能性もあると明かした。「我々の技術がF1のテクノロジーパートナーとして生かせる方法が見つかれば、関心を持つかもしれません」「その場合は解決策を見つける必要があります。しかし、それが前提条件です」「ですから、新しい規則がどのように発展していくか見守りたいと思います」現在FIAは2030年以降の新たなパワーユニット規則として、ハイブリッド要素を縮小したV8エンジン中心の新フォーミュラを検討している。最終的なレギュレーションはまだ策定されていないが、その方向性がBYDの判断に影響を与える可能性がある。現時点でBYDはF1参戦計画を否定しているものの、技術パートナーとして価値を見いだせる環境が整えば参戦を検討する余地があることを認めた。2030年以降の新パワーユニット規則の議論が、同社の将来の判断を左右する重要な要素となりそうだ。