2026年F1バーレーンテスト最終日、FIA(国際自動車連盟)は各チームに対し、MGU-Kの出力を一時的に引き下げた状態での走行テストを要請した。目的は、電力回生のために直線で長時間アクセルを戻す「リフト&コースト」を減らし、レースダイナミクスとオーバーテイク機会の改善につなげることにある。現在のレギュレーション下では、バッテリー再充電の制約がドライバーに大きな影響を与えており、F1コミッションでもその是正が議題に上った。FIAとチームは、短期間で導入可能な対策の検討を開始している。
バーレーンで行われているテストでは、MGU-Kの最大出力を350kWから250kWへ100kW削減した構成で複数のランが実施されている。あるチーム代表は「我々は250kW仕様で走行している。200kWでのランも試し、違いを評価する予定だ」と明かした。出力を下げることで必要な再充電量が減少し、標準モードとオーバーテイクモードの出力差を拡大できる可能性がある。これはバーレーンで課題として浮上したテーマのひとつだ。並行して、バッテリーの回生能力そのものを引き上げる案も検証されている。現行規則では、ハーベスティング(内燃エンジンによる回生)時のMGU-K出力は250kWを上限としている。マクラーレンは、回生出力を350kWまで維持できるモードを提案し、実走テストを行っている。現状では、リフト&コースト時には350kWでの回生が可能である一方、通常のハーベスティングは250kWに制限されている。両者を同等とすれば、リフト&コーストの必要性は低減されると見られている。関係者の一部は、これらの修正がメルボルン開幕戦前に導入される可能性もあると指摘する。アルバート・パークは年間カレンダーの中でもエネルギー回生面で特に厳しいサーキットとされるためだ。しかしFIAは慎重な姿勢を崩していない。FIAシングルシーター部門の責任者ニコラス・トンバジスは次のように語った。「最初の本当の試金石はメルボルンの週末になる。我々がどの段階にあるのかを見極め、最初の評価を行う。介入が必要であれば、スポーツの利益のために決断する。これは短距離走ではなくマラソンだ。我々には5年という時間と、行動するための明確な手段がある」さらにトンバジスはこう続けた。「作業の90%は完了していると考えているが、追加で10%の調整が必要かもしれない。我々は介入する準備ができている。これは極めて張り詰めた綱渡りだ。ショー、ドライバー、そしてこのスポーツに巨額を投資する人々を満足させなければならない。正しいバランスを見つけるのは簡単ではない」
全文を読む