2026年F1シーズンの新レギュレーション下で課題となっていたスタート手順に対し、FIAとF1コミッションは小規模ながら重要な修正を導入した。グリッド上のLEDがスタート手順開始の5秒前に点灯し、ドライバーにターボ準備のための予告時間が与えられる。ここ数日、レーススタートの難しさが議論の中心となっていた。
新パワーユニットではエネルギー配分が大きく変わり、かつてターボの回転維持を担っていたMGU-Hが廃止されたことで、ターボを適切な作動領域に持ち込む負担が内燃エンジン側に集中している。バーレーンでの最初のテストでは、スタート準備のために1万3000回転近くまで回転数を引き上げるケースも確認された。しかし重要なのは単に高回転を維持することではなく、それを一定時間保つ必要がある点にある。これが手順を従来よりも繊細かつ複雑なものにしている。現実のスタート場面では、最後尾付近のドライバーが十分な準備時間を確保できない可能性が指摘されていた。前方のグリッドでは最後尾の整列状況を無線で把握できるが、後方では待機時間が短く、準備ウインドウが極端に限られる場合がある。F1コミッションの声明でも、全ドライバーが適切にスタート手順を完了できる代替案を検討していることが確認された。その選択肢はすでに午後セッション終了後のスタートシミュレーションでテストされ、多くのドライバーが好意的に受け止めたという。新たな措置では、5つの赤信号点灯手順が始まる前に、グリッド両側のLEDパネルが青色で一斉に点灯する。これが5秒間の事前予告となる。青色LEDが消灯した瞬間に、通常の5灯シーケンスが開始され、全消灯でスタートとなる。この小さな変更により、ドライバーは正確なタイミングを把握できるようになった。実際に導入されたシミュレーションでは、信号点灯前からエンジン回転が上昇する音が聞かれた。この5秒間でターボを作動領域に持ち込み、消灯と同時に最適なトルクを引き出すことが可能となる。これはMGU-Kを用いてターボへエネルギーを供給する案よりもはるかにシンプルな解決策だ。現行レギュレーションでは、マシンが停止状態にある際の電力供給は禁止されており、さらに50km/h未満での使用も認められていない。新レギュレーション初年度における実践的な調整の一つとして、この5秒予告はスタートの安全性と公平性を両立させる現実的な対応といえる。
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