F1の商業権所有者(FOM)と統括団体(FIA)は、スポーツに利益をもたらす「新たな戦略計画」を策定することで合意したと発表。最近の意見の相違を過去のものにしようとしている。FIAとFOMは、統括団体の会長であるモハメド・ビン・スライエムとF1のCEOであるステファノ・ドメニカリとの話し合いを経て、スポーツの将来に向けた新たな戦略に取り組んでいる。
「FIA F1世界選手権はかつてないほど強力で、世界的に成長を続けており、FIAとF1はスポーツ全体に最高の結果をもたらすことに尽力している」とFIAは声明で述べた。「そのために、双方はチャンスを掴み、今後数年間のF1の可能性をさらに高めることを可能にする新しい戦略計画を策定している」F1運営における2つの重要組織は、ビン・スライエムの発言やチャンピオンシップに参加できるチーム数など、さまざまな問題で過去1年半にわたって衝突してきた。ビン・スライエムは昨年1月、F1ビジネスの価値が200億ドル(約3兆円)だと主張するFOMを「水増し」だと表現し、FOMを激怒させた。これに対してFOMは、彼の発言を「容認できない」とする文書をFIAに送っている。同時に、FIAはF1への新規参入を希望するチームを募集。FIAは昨年10月、アメリカのレーシングチームであるアンドレッティとゼネラルモーターズ(GM)のキャデラック・ブランドによる4つの入札のうちの1つを承認した。しかし、FOMは現在の10チーム以上にグリッドを拡大する必要はないと主張し、アンドレッティの参入はシリーズの価値を高めるものではないと主張した。12月、FIAはFOMの従業員とその配偶者が関与した利益相反の疑いで調査を開始し、すぐに取り下げた。その後、関係者はF1アカデミーCEOのスージー・ヴォルフと、その夫でメルセデスのチーム代表であるトト・ヴォルフと判明。前者は後に、FIAの調査をめぐってフランスでFIAを相手に訴訟を起こしたと発表している。後者の展開は、ビン・スライエムが昨年のF1世界選手権で2度にわたって妨害行為があったとして、FIAの倫理部門によって調査された後に起きたもの。だが、F1の目玉である新レースの週末にラスベガス・ストリップ・サーキットの認可を阻止しようとしたという主張も含め、2件とも潔白が証明された。
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